禁断と背徳の体験告白
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2度目の告白[第1話]|純愛・青春・幼少期

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2度目の告白[第1話]

読了目安 5分43秒

[作品No 1] 2025/11/25(Tue)
あれは高校2年の時…。
どうしても告白したい、好きな子がいた。勿論それまで付き合った事も、女と喋るのも苦手だった。

周りの友達からは
「やめとけ、お前じゃ無理だ」
「あの子レベル高いぞ?釣り合ってねーよ」
「あいつはライバル多いぜ?バスケ部のエースも惚れてるらしい」
「つか、うちの学校で一番人気じゃね?」

などなど、今にして思えば彼らの中にも彼女に惚れている奴がいたかもしれない。
名前は仮に美樹さんとしておこう。

男友達はいたが、女が苦手な俺は当然、モテなくて、奥手で、冴えない奴だった。
放課後、茜色の空の中、手をつないで帰る同級生のカップルを、眩しく見つめる事もあった。

俺は、帰宅部、成績中の中、顔は中の下。スポーツも大して得意じゃない。
球技は苦手だ。確かに釣り合っていない。自覚はしていた。
だが、それでも俺は告白したかった。告白したくなる理由があった。

当時美樹さんは体操部に入っていて、毎日必死に練習していた。
その美貌故、ファンも多く見学者という名の覗きは後を絶たず、異例な事だが男子は体操部の練習は見てはいけないという決まりが出来た。
男子の不埒な視線が集中力を妨げると。

それでも悪ガキというのは懲りないものだ。ダメだと解かると益々見たくなる。
禁止された事によって、その行為の価値は尊くなったのだ。

案の定、「おい毒男、見つけたぞ!秘密の覗き穴!来いよ!」悪友の一人が誘う。
「ええ?ちょ、ちょっと待てよ!引っ張るなって…」

「これのどこが覗き穴なんだ?…くっ…」
「(小声で)バカ!動くなっ!落ちるだろ!?」

何のことはない、校舎と校舎の狭い隙間に入り込み、俺に肩車された悪友がギリギリの高さで小窓の淵から覗いている。俺が彼の土台に選ばれたのは単に背が高かったからだ。


「…おお、スゲー…見える…!」彼は興奮気味に言う。俺は膝が震えだし、肩も軋み、それどころではない。

「…おい…まだか? ボチボチ限界だ…。」
「変わるか?毒男」
「いや、俺は…いいよ」
「そうなのか?欲のないやつだな。…じゃあ、もうちょっとだけ…ってヤバイ!」
「え?どうした?」
「誰か向かって来る…!!って、動くな!」
「うわあ…」
バランスを崩した俺達は倒れた。大きな落下音と悲鳴が木霊した。
「ヤバイ、逃げろ!」
悪友は運が良かった。俺の上に倒れ、俺がクッションとなり、倒れたながらも着地の体制が良かった。
そのまま脱兎のごとく駆け出した。俺を見捨てて。

俺は背中から倒れた上、足を少しひねった様だ。痛い。すぐには動けない。
見上げたさっきの小窓から顔が見えた。

―――美樹だった。名前くらいは俺でも知ってる。学校の男の誰もが知っている。片瀬美樹。
学校のマドンナ。

…目が合う。動悸が高鳴る。顔が熱い。

「美樹ー!誰かいたのー?」体育館の中から他の部員の声がする。
俺は我が身の不運を嘆いた。俺は覗きなんてするつもりはなかったのに。
でも、そんな言い訳は通じるわけがない。
悪友の誘いを断らなかった事を今更ながらに自分を悔いた。

…これまでか。親は泣くかな。女子には変態呼ばわりされるかな…。
観念にも似た諦めの気持ちでいると、片瀬は口を開いた。

「何をしてるの?そんなところで倒れて」抑揚のない、落ち着いた声、怒気は感じられない事務的な声。
「いや…足を捻っちゃって…」俺はそんな事しか言えない。彼女が聞きたかったのはそんな事ではなかったろう。
片瀬は俺の顔から俺の足に視線を移す。
「美樹ー? どうしたのー?」
ヤバい、もうダメだ…。俺は目を閉じ、天を仰いだ。
「んーなんでもなーい!」
「え?」
「…早く行きな?」
「う、うん」

俺は釈然としないまま、足を引きずりながらその場を離れた。
どうして片瀬は俺の事を逃がしたのだろう…。
しばらくして、花壇の淵に腰掛け、足の様子を見る。
すると、片瀬が向こうからやってくる。まだ体操服を着ている。練習の休み時間だろうか。抜け出してきたのか。

俺に用があるのか。さっきの事だろうか。逃げられる雰囲気じゃない。俺は身構えた。
「足は?痛い?」
「あ、う、うん…」
「見せて、捻挫?」言って俺の前にしゃがみこむ。
「いいよ。大丈夫」
「いいから」有無を言わさない強さを言葉の中に感じる。負い目がある手前、逆らえない。
靴と靴下を脱ぎ、素足を晒す。たったそれだけの事なのに、どうしようもなく恥ずかしい。俺は彼女から目を背けた。
大きな瞳と、白い肌、艶のある綺麗な黒髪を束ねたうなじはもう少し見ていたかったけれど。

「腫れてはないね、本当に捻っただけみたい。これなら大丈夫だよ」
「わかるの?」
「体操は意外と怪我が多いの。特に足はね」
「そうか…」
「無理しないで、帰ったら冷やしておけば良くなるよ」
「あ、ありがとう…」
「覗きはダメだけどね」
「あ、いや…あれは…」
「ふふっ…お大事に!」小さく患部を叩く。彼女なりの断罪の方法だったのだろうか。
「いて…」大した痛みではなかったが、俺は小さく呻いた。片瀬は悪戯っぽく微笑む。

彼女は少し早歩きで体育館に戻って行った。俺は彼女の背中が見えなくなるまで見つめていた。
その間、足の痛みは全く気にならなかった。その代わり、胸の奥に僅かに痛みを感じた。
この日のこの出来事が、全ての始まりだった。

---続く---
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