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もういまから10年近く前のことなんだけど。
ちなみに相手は、俺の友人(っていうか、同級生)の母親だった。
その同級生ってのは、ヒロキっていう名前だった。ヒロキはジャニーズ系の顔をしたやつで、結構女の子に持てているやつだった。まあ、中学生の時分ってのは悪いやつほど人気があった(当時はね)から、そいつも悪ぶっていた。だけどそいつの姉ちゃんは中学の生徒会役員やってから学区トップの高校にいった、いわば才識兼備の女の子だったし、聞けば奴の親父さんは結構名の通った企業の役員だったらしい。ヒロキ自身、頭は悪くなかったから、顔よくて成績よくて血筋もよけりゃ、もてるのも当たり前だわな。
しかし、(こう断言しちゃみなさまの反感買うのは覚悟の上だが)成績は俺のほうがよかった。
それがどうも、ヒロキにとって面白くなかったらしい。
そんなヒロキと俺は、同じ塾に通っていた。
あれは中学3年のゴールデンウィークあけのことだった。
その月のテストで、たまたま俺が塾の実力テストでダントツでトップの成績を取ってしまった。まあ総合成績ではいつも俺はヒロキより上にいたのだが、このテストではヒロキが俺より得意としている数学でも、圧倒的に差をつけてしまったことが、ヒロキの怒りに火を注いだようだった。
ヒロキは塾が終わると、帰りかけの俺を呼び止めて、因縁をつけ始めた。
正直、ものすごく怖かったよ。ほんと、小便漏らしそうだった。
ほかの塾の生徒たちは関わり避けるようにそそくさと帰っちゃうし、一部残ってた女の子たちはジャニーズ系のヒロキの悪ぶりに目がハートになってるし。だれも先生とか大人を呼んだり、止めたりしてくれない。
ヒロキも女の子の視線があるから、余計勢いだって俺の胸倉つかんだり、ひざで軽く蹴りいれたりしてくるんだ。
俺、恥ずかしいけど、泣いちゃったよ。
今から思えば、あのとき泣き喚いて許しを請えばよかったんだろうな。そうすればヒロキのプライドも満たせて、丸く収まったんだ。
だけど俺、怖くて怖くて逃げ出しちゃったんだ。陸上部だったし足も速かったから、逃げ切れると思った。だけど、腰がすっかり抜けてたんで、思うほど早く走れなかったみたい。
逃げた方角も悪かった。まっすぐ塾の教室に戻って、先生に助けを求めればよかったんだ。
だけど俺、時分の自転車にむかって走っていったんだ。
そして、震える手で鍵を差込み、またがろうとした瞬間に、追いつかれた。ヒロキの奴、すっかり逆上しきってて、信じられないことに俺にとび蹴りを食らわせやがった。
そのとき俺、右腕を骨折しちまった。
気がついたときは病院だった。怖さと痛みとショックで、けりを食らった瞬間に気を失ってたらしい。
ごめんな、みんな。話が長くて。いろいろ思い出してたらついつい、書き込みが多くなっちまって。
俺、それからしばらく学校に行けなかったんだ。そりゃそうだよな、右腕はずっきんずっきん痛むし、同級生に謂われない暴行受けて、トラウマ状態になってたし。
とにかく、俺の母親はかんかんになって、ヒロキの件を警察沙汰にするっていきまいてた。
そりゃそうだよな、喧嘩して腕折ってきたのならともかく、これは一方的な暴行だもんな。
それに息子が登校拒否起こすし。
ヒロキの母親が何度も電話してきたり菓子折り持ってきたりしても、門前払いというか、俺の目から見てもものすごく邪険にあしらって、謝罪を受け入れる素振りも見せなかった。
ヒロキの母親は、そりゃもう必死だった。毎日のように俺の家に電話よこしたり、謝罪に来たり。
無理もない、警察沙汰になったら成績優秀な自慢の息子、ヒロキ君の高校進学は間違いなくパア、へたすりゃ有名企業で役員やってる旦那だってただじゃすまないわな。
ヒロキの母親は、重役夫人という肩書きにしては鼻につくようなところもなく、いたって常識的な、なぜこの母親からあんな乱暴な息子ができたんだろうと思うような、そんな女だった。
だがさすがにちょっといいところ家の奥様だけあって、俺の母親のように歳相応に太ったりすることもなく、そこはかとなく上品さも漂っていた。
それはジャニーズ系のヒロキの母親ということもあって、紺野美沙子に似た美貌だったせいもあったかも知れない。
とにかくヒロキの母親の必死だったことは、事件から10日以上も、毎日のように家に謝罪にきたことからもわかる。たとえインターホンで追い払われても、毎日毎日、懲りずにやってきた。家の母親も次第に軟化してきて、「息子がヒロキ君を許すのであれば」というようになってきた。だけど、俺は許すつもりはさらさらなかった。
だって、そうだろう?一方的に暴力振るわれて、腕まで折られて。いっそのこと、少年院にでもいってほしかった。そうじゃなきゃ、とてもじゃないが怖くて学校になんか、行けなかった。
2週間ほどたって、だいぶ俺の容態が安定してくると、俺の母親は安心したらしく、長いこと休みを取っていたパートに戻っていった。弟も小学校に行ってしまうので、俺は日中一人でテレビを見たり勉強したりしながら家で時間をつぶしていた。
そんなとき、ヒロキの母親が家にやってきた。
おれの母親が「息子がヒロキ君を許すのであれば」といったので、そこに希望を見出してヒロキの母親は、なんとか俺にコンタクトを取ろうとしていたらしい。
ヒロキを許すつもりなどさらさらない俺は、これまでヒロキの母親と会うことはおろか電話やインターホンで話すこともかたくなに拒み続けてきたが、その日、とうとう俺はヒロキの母親と会うことにした。
ちなみに、ヒロキの母親が来たとき、俺はテレビを見ていた。
その番組は火曜サスペンス劇場かなんかの再放送で、たまたま女がレイプされているシーンだった。俺のティムポは激しくおっ勃っていたところだった。
そのレイプシーンってのは、女が男に押し倒されたあと、女の切なげな表情がどアップになり、続けて女の手が激しく、男の背をかきむしる画面、そして切り替わった画面はすでにことが終わり、呆然と女が立ち上がるシーンで、ようは中学生が見たい女の裸が、全く見られないシーンだった。ティムポは勃つには勃ったが、どうにも欲求不満なシーンだった。
ヒロキの母親に会ったのは、そのときが初めてだった。ほんと、息を呑んだよ。
だって、美人なんだもん。同じ母親でも、こんなに違うのかって驚きもしたし、情けなくも思ったよ。同時に、無理もないかって、思った。だってあのジャニーズ系のヒロキの母親なんだし、あの美人なヒロキのお姉さんの母親なんだもん。
いっておくけど、別に俺はヒロキの母親に変なことをするつもりでヒロキの母親を家に入れたわけじゃないんだよ。
ただ退屈の最中だったし、ヒロキの母親に散々悪口を言ってやることで、少しでもすっとするかなって、ただそんな風に思ってたんだ。
だけど、この美人の母親を見たとき、丁度テレビでレイプされてたのが酒井和歌子っていう女優でこの母親と同じ年頃だったってこともあって、しかもそのレイプシーンで裸を見られなかったっていう欲求不満もあって、俺、ものすごく甘い衝撃が下腹部に走ったんだ。
ヒロキの母親は、ピンクのシャツの上に白いカーディガンを羽織り、やはり白のスカートをはいていた。家に招じ入れると、甘やかな香水のにおいが俺の鼻腔を刺激し、ズキンと甘い衝撃が再び、俺の下腹部に走った。
「どうぞ中へ、お入りください」
玄関の鍵をかけながら、俺はヒロキの母親をリビングに通した。前を歩くヒロキの母親の、スカートに浮かび上がるむっちりとしたヒップの肉感に、またもやズキンとなった。
リビングに入ると、ヒロキの母親はソファーにも座らず、菓子折りをそっと押し出すと、厨房の俺にむかって土下座し、「このたびのこと、本当に申し訳ございませんでした」と、額を絨毯にすりつける。
俺は憮然として、「申し訳ないも何も、これを見てくださいよ」とギプスをはめた右腕を突き出して、「僕、ぜったいヒロキを許しませんから」といってやった。
ヒロキの母親は必死な目で俺を見つめ、「ごめんなさい、許してください」と再び頭をたれる。
「許してくださいってったって、どうしてヒロキが謝りにこないんですか?どうしておばさんひとりなんですか?ヒロキは謝る気、ないってことなんでしょ?」といってやると、ヒロキの母親、一瞬ぐっとつまった。
「だったら僕、絶対許したくないなぁ。今年受験だって言う大切なときに右腕折られちゃって。僕、ヒロキのこと、絶対許さない。あんなやつ、少年院にでもはいっちゃえばいいんだ」みたいなこと、言ってやったと思う。
ヒロキの母親、「ごめんなさい、ごめんなさい」と繰り返すばかり。
昔から口だけは達者だったから、俺はここぞとばかりこんな様なことを言ってやった。
「おばさんね、かんたんにごめんなさいって言うけど、僕、何にもしてないのに腕、折られちゃったんですよ。ものすごく、痛いんですよ。鉛筆握れなくって、勉強もままならないし。この受験の大事なときに、どうしてくれるんですか!」
ほんと、よくあれだけのこといえたと思う。
しゅんとなって、ヒロキの母親が頭をたれたままでいる。冷静になってみれば、滑稽な情景だろうな。大の大人が、厨房に怒られてるんだぜ。
ま、それもかわいい息子の将来と、大切な旦那様のことを考えて、とにかく嵐の過ぎ去るのをまとうとする女の打算だったんだろうな。
そのときの俺は餓鬼だったから、そこまではわからなかった。ただ、女優みたいにきれいな女が、俺の怒りをごもっともとおとなしく耐えてるところが、たまらなく快感だった。しかもそれが、あのヒロキの母親なんだぜ?
「右手が使えないと、いろいろと大変なんですよ。トイレでお尻拭くのだってうまくいかないし、飯食うのだって一苦労だし」
ごくんと、俺、生唾飲み込んだ。そして、一息分だけためらって、一気に言ってやった。
「それに、マスターベーションだってできないし」
それまでおとなしく下向いて俺の言葉を聴いていたヒロキの母親が、ぎょっとしたように顔をあげた。そのときの表情、こたえられないくらいにいい顔だったぜ。
「マスターベーションですよ、マスターベーション」
女の、それもおばさんとはいえ美人のまえでこういう卑猥な言葉を口にして、俺の心臓もバクバクズキズキいってたのをおぼえてる。心臓の鼓動が聞こえてくるほどで、それにあわせて右腕もズキズキ痛んだ。
「おばさんは女だからわかんないだろうけど、僕らみたいな思春期の男の子って、大変なんですよ。もう、一日に2度も3度もマスターベーションしないと、精液がたまって、苦しくて苦しくて、たまんないんです」
思いもよらぬ生々しい言葉に、ヒロキの母親の視線が泳ぐ。
「ヒロキだってね」と、おれは追い討ちをかけるつもりで言ってやった。
「きっと毎日やってますよ、マスターベーション」
しかし、女の息子の名前を出したのは失敗だった。泳いでた目が急に釣りあがり、「ふざけないで!」どん!とテーブルを激しく両手でたたいた。
正直、俺、びびったよ。
すんげー怖かった。やっぱりこまっしゃくれてても、そこはまだ餓鬼じゃん?だから大人に怒鳴られると、怖いわけよ。しかも、俺をあんな目に合わせたヒロキの、ぶちきれてたときの目に似てるわけよ。
女の怒気に、俺のティムポ、一気に萎んだもん。
下手したらあのまま形勢逆転して、一気に俺はヒロキと和解せざるを得なかったんだろうな。
でも、あのとき「ごめんなさい」しかけた俺のもろい心をささえた幸運が起こった。
身を乗り出したヒロキの母親の、ブラウスのボタンの隙間から、ベージュ色のブラが見えたんだ。
そこはそれ、厨房だから、生まれて始めてみる生ブラに萎えてたティムポが一気に勃起して、俺は崩れかけてた心を立て直すと、「ふざけてなんか、いませんよ」と、言ってやった。
「いいですか、僕、もう2週間もマスターベーション、してないんですよ。ヒロキ君が毎日やってるマスターベーションを、2週間も!わかります?苦しくて苦しくって、もう気が狂いそうなんですよ!」
まあ、2週間やってないってのはうそなんだがな。
左手使えるし、できないことはなかった。ただ俺はうつ伏せオナニー派だったんで、右手をつってるとうつ伏せオナニーができないんでいまいち満足しきれてなかったのは事実だが。
ま、そんなことはどうでもよく、ヒロキの母親は上品な顔面を紅潮させ、細く形のいい唇をプルプル震わせて「いい加減にしてっ!」と、どんと床を踏み鳴らして立ち上がった。
俺、一瞬びくってしちゃったけど、でもすぐにふてくされた態度をとってやった。
「あっそう!じゃぁもういいよ!警察に言ってやる!なんだよ、人の腕折っておいてさ!謝りにきたっていうから、俺がどんなに大変か話したらごめんなさいも言わずに逆ギレするしさ!もういいよ、帰ってよ!」
我ながら、厨房の癖に良くぞここまで出来たと思う。昔から営業向きだったんだな、きっと。
俺がそういうと、怒りに赤らんでた顔がすっと青白くなり、「ごめんなさい、それだけは堪忍して・・・・・・」と、へたり込むように崩れ落ちた。
「警察には言わないで、許してください、ごめんなさい・・・・・・」
このとき俺の脊髄を駆け上ったゾクゾク感、君たちにわかるかね。ヒロキの母親の白いうなじを見ながら、俺は直感的にこの女を屈服させたことを、こみ上げる快感として感じたのだよ。
「僕ね、ヒロキ君のことは許せないんだ。殺したいくらい、憎んでる。でも、それ以上に、とっても今、苦しいんだ。それをおばさんが助けてくれるんだったら、ヒロキ君のこと、許してもいいな。っていうか、許せないけど、警察に言うのは我慢する」
そういって、俺は立ち上がった。
その瞬間、俺、くらっと貧血のめまいがしたよ。
自分がとんでもないことしてるっていう罪悪感もあったし、何より体中の血液があそこに集中しちゃってたんだもん。
その分、俺のティムポはギンギンで、部屋着のズボンがもっこりとテントを張っていた。
ヒロキの母親は息を呑むと、唇をかみ締めて視線をそらした。
おれ、はあはあと、すげえ荒い呼吸してたと思う。
「ほら、おばさん、こんなに苦しいんだ。助けてくれたら、我慢するって、約束するよ」
その瞬間、ヒロキの母親の目から涙が、頬を伝った。
ショックだったんだろうな、自分の息子と同じ歳の餓鬼に、性欲を満たすよう要求されるなんて。
無理もない、自分の息子と同じ餓鬼だからこそ、のこのこと二人きりの家に上がりこんできたんだろうから。
---続く---