禁断と背徳の体験告白
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連載作品(体験告白)

白き花[第36話]|人妻・不倫・浮気

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白き花[第36話]

読了目安 2分58秒

[作品No 36] 2024/ 1/31(Wed)
月曜日、朦朧とする頭を押さえながら本社に出社します。机の上には処理しなければならない仕事が積まれています。字の列を眺めてもその内容は頭に入ってきません、頬杖をついて思案していますと、野村が声をかけてくれます。

「北上、ちょっといいか」
「ああ」

応接に入ります。

「元気がないな、由里子さんとは上手く行きそうか?」
「いや」

野村には一応の事は報告してあります。勿論、昨日妻が出て行った事は言ってはいません。

「ABCXYZの件だがな、契約は終了させる。量販店への直販に切り替える。しかし、暫くの期間はABCXYZにはロイヤルティーを支払う予定だ」
「それがいい。津岡社長も安心するだろう」
「由里子さんはどうしてる?」
「・・・・・」
「どうした、何かあったか?」
「・・・昨日の朝、俺が寝ている間に出て行った」
「出て行った?」
「ああ」
「由里子さんの話を聞いてあげなかったのか?事情が事情じゃないか」
「何を聞けばいい?俺の為に大変な目に会ったな、ご苦労さんだったと言えばいいのか?」
「そうじゃない。由里子さんはお前を守ろうとしてやった事だ」
「自分の女房がそうなっても、そんな事が言えるか?」
「いや・・・。出て行った先の心当たりはあるのか?」
「検討がつかない」
「由里子さんが見つかるまで、会社を休め。あんたの仕事は部下に手配しておく」
「いや、そう言う訳には行かない」

野村には検討がつかないと言いましたが、妻の行きそうな所は2箇所心当たりがありました。しかし、逃げるようにして出て行った妻を今は捜す気になれないのです。三浦と一応の決着がついた今は、妻の態度が気に入らないのです。何故、逃げてしまったのだ。

仕事をそれなりにこなします。難しい数式を見ている時は妻を忘れる事が出来るのです。もう夕方です、野村が声をかけてくれます。

「5時か、まだ早いが、ちょっと付き合え」

野村と行った所は都心部からは少し離れた古いバーです。20数年前から通い始め、数年前までは月に2度くらいは通っていました。工場が私の住まいの近くの郊外に新設された為、私の足は遠のいていました。ママが覚えていてくれました。ママと言っても、もう60は過ぎているでしょうか。

「北上さん、久しぶりね。元気だった?」

私が返事しあぐねていますと、野村が助け舟を出してくれます。

「こいつが萎れているもんだから、ひっぱって来た」
「そう、元気出してね。昔は貴方達二人と由里ちゃんと幸ちゃんとよく来たわね」

幸ちゃん、幸子さんは野村の奥さんになっています。結婚前から四人でよく飲みに来ました。懐かしさが込み上げてきました。

「ママ、北上と秘密会談がある、奥の部屋、開いてるかな?」

野村はおどけたように言ってくれます。

---続く---
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