禁断と背徳の体験告白
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真っ白な愛[前編 第6話]|純愛・青春・幼少期

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真っ白な愛[前編 第6話]

読了目安 7分25秒

[作品No 6] 2022/11/24(Thu)
数日間そうやって悩み続けた末、何が起こったのか少しずつわかり始めた。
取り巻きの一人に「あんなひどい事しといて、まだ美紀ちゃんに付きまとうなんて最低」というようなことをいわれた。
「『ひどいこと』って別に何にもしてないよ」というと、彼女は「4年生の愛美って子に言ったんでしょ?」といった。
問いただしてわかったのは、どうも愛美ちゃんと、彼女と仲の良い同級生2,3人が、俺が愛美ちゃんに教えた美紀ちゃんの愛の告白の台詞をそのままネタに使って、美紀ちゃんをからかったようなのだ。
美紀ちゃんにしてみれば自分が思いを込めて言った事を全然関係ない下級生の女にべらべら喋ったわけだから、怒って当然だった。
ひとつ加えておくと、その頃、俺と愛美が仲が良いということは、学校では知られていなかった。
というのも彼女とは学年が違うせいもあって、下校はばらばらだったからだ。
朝は一緒に行ったが、たいてい他の子供たちとも一緒だった。

とにかく俺は信じられない思いだった。
幸せの絶頂から不幸のどん底に突き落とされた気持ちだった。
でも美紀ちゃんに対してなんの言い訳もしようがなかった。
俺は愛美ちゃんに話したことを、ものすごく悔やんだ。
愛美ちゃんを信用しきっていた俺が馬鹿だと思うと同時に、愛美ちゃんに対する怒りがこみ上げてきてしかたなかった。
でも俺には、そのときなんで愛美ちゃんがそんなことをしたのかわからなかった。
俺はその日、問いただすために愛美ちゃんのうちにいった。
愛美ちゃんは事実を否定しなかった。
でもそんなことをした理由もいってくれなかった。
ただ「だってあの子、嫌いなんだもん」といった。
それから美紀ちゃんの悪口をいろいろ言った。
俺には愛美ちゃんがわからなくなった。
俺が何を言ってもだめだった。
俺がああいうと、こういう、こういうとああいうで、俺は終いに頭にきて「愛美ちゃんなんか嫌いだ」と吐き捨てるようにいって帰ってきた。

その週末、愛美ちゃんはうちに来なかった。
その次の週末も来なかった。
その次の次も、さらにその次の週末も彼女は来なかった。
学校でたまたま顔をあわせても彼女は知らん振りをした。
俺の母親は最初、「愛美ちゃん最近来ないわね」とかいっていたが、俺が「しらねえよ、あんな奴」とかいうので、そのうち何も言わなくなった。
俺は、どうでもいいと思った。
その時は愛美ちゃんが憎たらしくてしょうがなかった。
あいつのせいで俺の幸せがめちゃめちゃにされたと思った。
でもそれ以上に、愛美ちゃんにそもそも話した自分が馬鹿だと悔やんだ。
でも悔やんでも悔やみ切れなかった。
その頃覚えた「覆水盆に帰らず」という言葉を心の中で繰り返した。
結局そのまま愛美ちゃんとは一言も喋らないまま正月を迎えた。

愛美ちゃんがいなくなったので、以前から同級生の中で一番気の合う孝司という子とよくつるむようになった。
あるとき、話が美紀ちゃんの事に及んだ。
彼は、美紀ちゃんと俺の間に起こったことはしらなかった。
俺は事の顛末を話して聞かせた。(もちろん愛美ちゃんとのエッチの話はしなかった)
そして「全部、バカ愛美のせいだ」といった。
孝司は同い年とは思えないくらい大人びている奴で、学級委員長とか生徒会長とかをやるタイプだった。
彼はいつもかしこいことを言うので俺は一目置いていた。
孝司は俺の話を聞き終わると、「おまえ、鈍感だな。愛美ちゃん、お前が好きなんだよ。お前がもし好きで仲良くしている子から、他の奴が好きでカッコよくてとか言われたらどうする?愛美ちゃんがかわいそうだ」というような事をいった。
愛美ちゃんに対する怒りもおさまりつつあった俺は、これを聞いて、自分のした事の愚かさ気がついた。
そして愛美ちゃんにたいして申し訳ない気持ちで一杯になった。
それからだった、俺の愛美ちゃんに対する気持ちに変化が出てきたのは。

それから毎日俺は愛美ちゃんのことを考えるようになった。
急に彼女がいじらしくも思え、愛おしくてしょうがなくなった。
そして、以前一緒に空き家でしたさまざまなことや、一緒に泊まって楽しかった事などを思い出すたびに、胸がキューッと絞められるような思いをした。
同時にしばらく忘れていた下半身のムズムズする感覚がよみがえってきた。
そう思い出すと、いつも女の子に囲まれ、ツンとした美紀ちゃんを学校で見るたびに忌々しく思うようになった。
そうなると不思議なもので、今度は「あいつがいなければ愛美ちゃんと俺の仲はこうならなかった」と思うようになった。
俺は愛美ちゃんを取り戻したいと思ったが、きっかけがつかめなかった。
今は学校であってもまったく無視だった。
声をかけてもそっぽを向かれた。
手に入らないと思うと欲しくなるのが人間の性なのか、そうなると余計、愛美ちゃんのことが恋しくて仕方なくなった。

孝司は手紙を書いて謝れといった。
でも、俺は作文が大の苦手だった。
でも、他にいいことが思いつかなかったので、俺は、散々悩んだ挙句、手紙を書くことにした。
原稿用紙1枚の作文を書くのも四苦八苦の俺が、10枚くらいの長い手紙をかいた。
今でも手元にある何回も消しゴムで消して汚くなった下書きを読むと、11歳の自分がどんなに必死だったかわかる。
その手紙は、今読むと恥ずかしくなるような甘い台詞で埋められていた。
俺はまず自分が思ったことを正直に書いた。
そして、愛美ちゃんが、世界で一番大切な人間で、心から愛している。
そして以前の自分達に戻れるなら、自分は何でもする。
というようなことを延々10ページに渡って書き綴ったのだ。
俺はそれが書きあがってからも数日間、投函できなかった。
どんな反応があるか心配だったからだ。
投函してから、返事が来るまで、毎日毎日が、まるで一年のように感じた。
数日後やっと来た彼女の返事は女の子らしい便箋二枚にかわいい文字で丁寧に書いてあった。

手紙をもらうまでは、リョウ君がすごく醜いいやな人に思えていて、話もしたくなかった。
でも手紙を読んでリョウ君の気持ちがわかって、嬉しくて涙が止まらなかった。
リョウ君をどれくらい好きだったかわかった。
今すぐリョウ君の所に飛んでいきたい。
でもリョウ君が来るのを待っている。
ということが書いてあった。
俺はこれを見て、ぶっ飛んでしまいそうだった。
俺は早まる心を抑えて、電話の受話器をとると、彼女の家の番号を押した。
彼女の母親が出た。
「あれ、リョウ君久しぶりね、ちょっとまってね」といった。
俺は、心臓がドキドキして、呼吸困難に陥りそうだった。
愛美ちゃんが電話口にでると、俺は上ずった声で「手紙ありがとう」といった。
それからやっとの思いで「いろいろゴメンね」といった。
受話器の向こうからは、「うん」という声がかすかに聞こえた。

その後何を喋ったか覚えてないが、最後に、俺が「また仲良くしてくれる?」というと、それまで鼻をすすりながら「うん、うん」とだけ繰り返していた彼女は感極まってワーッと泣き出した。
俺は「今からそっち行くよ」といって電話を切った。
そのあと俺は自転車を飛ばして愛美ちゃんの家まで行った。

---続く---
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