禁断と背徳の体験告白
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連載作品(体験告白)

真っ白な愛[前編 第10話]|純愛・青春・幼少期

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真っ白な愛[前編 第10話]

読了目安 4分21秒

[作品No 10] 2022/11/26(Sat)
愛美ちゃんは、夏に会ったときよりも、一段と大きくなって、体もさらに丸みを帯びていた。
俺は相変わらずチビだったから、彼女の方が10センチくらい背が高かったかもしれない。
その和也という男の子は、一見不良っぽいが、なんとなく格好よかった。
彼は愛美ちゃんよりも優に頭一つ以上背が高かった。
俺は、その二人の前に立って、自分がちっぽけで惨めな存在に思えた。
そして、彼は、それに追い討ちをかけるように、「お前、愛美をこれ以上傷つけるなっていっただろう」といった。
上から降りてくる既に声変わりした低い声は威圧感があった。
愛美ちゃんに何か言いたかったが、何も言えずその場で立ちすくんでいた。
愛美ちゃんが「リョウ君・・・」と何か言いかけたら、そいつは、遮るように「お前は何も言わなくていい」といって、それから、毎日悩んでる愛美ちゃんを自分がいかにして慰めているかという話をした。

俺は怒りと悔しさでカーッと頭に血が上るのがわかったが、あまりにも相手に圧倒されて、何も言うことができず、ただ唇をかんでいた。
最後にやっとのことで、震える唇から搾り出した言葉は「愛美ちゃんは僕が好きなんだ・・」だった。
彼は、「アホかお前は」といって一笑に付した。
俺は悔しくて涙がボロボロこぼれてきた。とても自分にかなう相手ではなかった。
愛美ちゃんはそれを見てか「リョウ君」といって泣き出した。
彼は、「見ろ、お前のせいだ、もうこいつを苦しめるな」といって彼女の肩を抱き寄せた。
俺は心臓を引き裂かれるような気がした。
俺はもうその場にいたたまれなくなって、そのまま彼らに背を向けると、何も言わずに走りだした。
その場から一刻も早く逃げたかった。

母親が新幹線の駅まで向かいに来てくれた。彼女は俺の様子がおかしいのに気がついたのか、「愛美ちゃんとなんかあったの?」と聞いてきた。
俺は、我慢してたものが一気に噴出した。「お母さーん、僕さあ、僕さあ・・」といって母親の胸で泣き崩れた。
彼女はそのまま何も言わずに俺を抱いて頭を撫でてくれた。
数日後に愛美ちゃんから手紙が来た。
彼女の宛名書きを見ていると、あの憎たらしい中学生と腕を組んでいる愛美ちゃんの姿が目に浮かんだ。俺は開封せずにゴミ箱に捨てた。
さらに数日後にまたもう一通来た。それも開けずに捨てた。冬休みになってもお互いに連絡を取らなかった。
実は、愛美ちゃんは一回電話もしてきたが、俺が出るのを拒否した。
俺は、あの中学生に対する嫉妬で気が狂いそうだった。毎日、胸が苦しくて、一日中ため息をついていた。

元旦に彼女から年賀状が届いた。ぱっと見たところ何の変哲も無い型どおりの年賀状だった。ただ、最後にひとこと「リョウ君、ゴメンね」と書いてあった。
俺は、あの中学生の顔がまた眼に浮かんだ。「ごめんね」と言われても許せなかった。それが彼女から来た最後のメッセージだった。
俺は完全に打ちひしがれ、食べ物もしばらく喉を通らず、体重も減った。両親は心配していたはずだが、何も言わなかった。それ以降、家では愛美ちゃんの話題はいっさい出なくなった。
後日母親に聞いた話だと、あのあと、母親が愛美ちゃんのお母さんと話をしたらしい。
向こうの親も何があったのかしらなかった。ただ愛美ちゃんもその後しばらくふさぎこんでいたらしい。

あと、俺が捨てた手紙は、母親が密かに取って隠してあった。大人になってからからそれを読むと、当時の彼女の気持ちが手に取るように伝わってくる。
結局、彼女は俺と離れ離れになった寂しさから、たまたま近所に住んでいてしりあった、中学生の彼と良く話すようになった。
彼女は、彼がいろんな悩みを聞いてくれるから、お兄さんのような感じで付き合っていたのだが、彼は独占良くが強く、愛美ちゃんに彼氏がいるのがいやでしょうがなく、とにかく俺たちの中を妨害するようになった。
あの日は彼女も彼に威圧されて、言いたいことがいえなかったというのだ。
その後の手紙にも、彼女の悲痛な心の叫びが聞こえてきそうな内容だった。
でも、そのときの俺は、もうあまりの嫉妬心から思考回路がオーバーロードを起こしてたから、その手紙をその時点で読んだとしても、おそらく、頭の中に入ってこなかっただろう。

---続く---
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