禁断と背徳の体験告白
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連載作品(体験告白)

水遣り[第38話]|人妻・不倫・浮気

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水遣り[第38話]

読了目安 2分52秒

[作品No 38] 2022/ 6/18(Sat)
居酒屋の暖簾をくぐります。

「宮下さん、今日帰って報告書を奥さんに見せますか?」
「勿論です」

「少し待ってもらえませんか?」
「出来ません。しかしどうして?」

「今まで話せなかったが、実は以前から佐伯の身辺調査をしています」
「・・・・・」

「身辺調査は水曜日の午前中に一件終わり、それで完了です」
「それが私に何の関係が?」

「佐伯の全貌が解ります。宮下さんにとっても重要な事です」
「しかし・・・」

「経済問題も含め全て宮下さんにお見せします。これは依頼元からも了承を得てあります」
「経済問題?依頼元?」

「今は詳しく言えませんが他から依頼が先発していました」
「そうすると身辺調査もそこからですね」

「そうです」
「何処の依頼ですか?」

「今は話せません」
「そうですか。水曜日まで待たなくてはいけない訳ですね」

「申し訳ないが、そうしてくれれば助かります」
「仕方無いですね、そうします」

今日は妻に言えない。後2日我慢しなければいけない、その思いとは別にまだ言わなくてもいいと、ほっとしたのも事実です。

後2日待てば、より強力な武器が手に入るのです。我慢する事にします。 

「その代わりと言っては何だが、佐伯の別れた奥さんに君の事を話した。何時でも会ってくれるそうです」

普通の興信所の親父では無いとは思っていましたが、どうしてそこまで手が届くのか不思議です。

「何を怪訝な顔してる。人生相談所にもなり得ると言ったがな」

私も別れた奥さんに会いたい、会って離婚の原因を知りたい、そうは思っていました。

帰りがけ、別れた奥さん旧姓中条佳子さんの住所と電話のメモを渡されます。

「宮下さん、余り考えないほうがいい。体に毒だ」

家に帰ります。

◇◇◇◇◇

「お帰りなさい。食事は?」
「済ませた」

仕事部屋に入り、報告書を見ます。殆どの事は先程、所長から聞いたものです。
写真を眺めています。一つの事に気が付きます。ホテルに入る時と出る時の妻の表情の違いです。
入る時のそれは曇っているように見えます。出る時は佐伯に任せきった顔です。
違和感があります。 

思い出しました。妻が出張するようになり、暫くしてから時折見せる顔です。
ソファーに座っている時、あるいは台所仕事をしている時、手を休め物思いに沈んでいる時があります。
そんな時、私が声を掛けても“疲れているの、何でもないわ”と返ってくるだけだったのです。
あの時もっと突っ込んで聞けば良かった、そうすれば此処までにはなっていなかった。
しかし、もう遅いのです。

---続く---
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