禁断と背徳の体験告白
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連載作品(官能小説)

乙葉松[第5話]|近親相姦・近親相愛

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乙葉松[第5話]

読了目安 18分13秒

[作品No 5] 2025/ 3/ 2(Sun)
 土曜日、滋は九時半に家を出た。出掛けに寛子が耳打ちした。
「今日はお兄から迫っちゃ駄目だよ」
「あんまりその気も無いけど、何で?」
「がっついてるって思わせちゃ絶対駄目。美千代はその気なんだから、少し焦らす位がいいの。勿論、誘われたらためらっちゃ駄目だよ」
「まあ、成り行き任せだな。別に焦ってる訳でもないし」
「その調子、その調子。じゃ、頑張って。これ、男のたしなみよ」
 寛子が滋のポケットに何かを押し込んだ。手を抜いてズボンの上から前を握った。
「思ったより元気無いね」
 寛子が笑った。滋が照れ笑いしながら出て行った。ポケットにはコンドームが五つ入っていた。
「お兄、どこ行くの?」
 滋の後ろ姿を見送りながら万里子が寛子に聞いた。
「ガールフレンドのとこ」
「ふうん」
 万里子が笑いながら自分の部屋に戻って行った。母親が聞き耳を立てているかも知れないので滅多なことは言えない。万里子もその辺は十分に承知していた。案の定、昼食時に母親の小言が飛んで来た。
「寛子、滋に変な入れ知恵しないでね」
「はあい」
 寛子と万里子が目を見合わせ、声を出さずに笑った。
 滋は十時前に美千代の家に着いた。呼び鈴を鳴らすと玄関が開いた。
「いらっしゃい、待ってたわよ。さ、上がって」
 美千代が滋の手を引いて二階に上がった。通されたのは美千代の部屋だった。六畳くらいの洋間に大きめのベッドが一つ。枕元に机と椅子が置かれている。
「待ってて、今、お茶持って来るから」
 美千代が滋をベッドに座らせて部屋から出て行った。
「お待たせ」
 ドアが開いて美千代が盆を持って来た。空のティーカップが二つ、他に同じ柄のポットと菓子皿が載っていた。滋が手を出してその盆を受け取った。
「机の上に置いて」
 美千代がそう言って滋の隣に座った。ベッドが沈んで滋の身体が美千代に触れた。サラッとした髪が滋の頬に触れた。
 滋が横を向くと目の前に美千代の顔があった。見詰める目が輝いている。確かに寛子とはタイプが違うが、滋の心が揺れた。
(今日はお兄から迫っちゃ駄目だよ)
 頭の中で寛子の声が聞こえた。自分から唇を合わせようとした滋が辛うじて踏み留まった。考えてみたら美千代とは会ってまだ三日目。ろくに話もしていない。その辺をすっ飛ばしてキスなんかあり得ないと思った。
「ふふ、お茶、飲もう」
 美千代が笑いながら立ち上がり、ポットから紅茶を注いだ。でも、その目は笑っていなかった。
「あーん」
 美千代が菓子皿からクッキーを取った。美千代の手が目の前に来る。つられて滋が口を開けた。美千代がその手を口の中に入れた。クッキーから指を離さない。口を閉じれば美千代の指をくわえてしまう。
「食べないの?」
 美千代が意地悪そうな目で笑った。
 男と女の駆け引きだな、と滋が思った。こんな戯れの向こうにエッチがある。指を舐める、舐めさせる。ほんの小さな悪戯だが、美千代はそこに滋を引っ張り込もうとしていた。
 突然、滋がパクッと美千代の指をくわえた。勿論閉じたのは唇だけだった。余りにも素早い動きだったので美千代が反射的に手を退いた。口の中にクッキーが残った。指が抜ける瞬間、唇が微かに触れた。
「うん、美味しい」
 美人ってこんなものかな。クッキーをかじりながら滋は美千代の様子を冷静に見た。寛子も違ったタイプの美人だが、滋の前でこんな駆け引きめいたことはしない。兄妹だからそんな必要が無いからか、性格の違いなのか、面白いと思った。
 美千代がまたクッキーを差し出した。今度は素直に手を退いた。
「あーん」
 美千代が口を開けてそのクッキーをねだった。滋が素直にそのクッキーを美千代の口に運んだ。唇が触れ合った。美千代がクッキーを噛み割った。暫く噛んで唾液と混ざったクッキーが滋の口に押し込まれた。驚いた様子も見せず、滋がそれを飲み下した。
「流石、寛子の兄さんね」
 美千代がお手上げという顔で笑った。
「何が?」
「もしかして、寛子が何か入れ知恵したんじゃない?」
 その通りだった。
「うん。がっついた様子は見せるなって」
「だと思った。こんだけ悪戯したら、その辺の男の子ならとっくに襲い掛かってるよ」
 また美千代が隣に座った。
「私が欲しくないの?」
 難しい質問だと思った。下手なことを言って美千代のプライドを傷付けたら全てが終わる。別に終わっても構わないとも思ったが、それでは美千代の誘いに乗ったこと自体が無意味になる。
(女ってね、もてない男には全然魅力感じないの)
 寛子の言葉を思い出した。美千代程度の女一人くらい、しっかりものにしてやろうと思った。
「そう言う美千代さんはどうなの?」
 滋が逆襲に出た。
「僕のことが好きって感じ、全然しないけどなあ。そんなんじゃエッチする気にならないよ」
 美千代は遠回しに滋を誘惑しようとしている。ならば自分は真正面から責めて行こうと思った。
「随分はっきり言うわね」
 美千代が暫く考えてから言った。
「じゃあ、今日のところは帰って」
「うん」
 滋が素直に立ち上がった。そのまま玄関に歩いて行くと後ろから美千代が抱き付いて来た。
「待って、帰らないで」
「帰ってって言ったの、美千代さんだよ」
「意地悪」
 美千代は何とか自分に口説かせようとしている。そう思った。プライドなのか、それともいずれ振る時の言い訳を今から作ろうとしているのか。いずれにせよ滋は余りいい気持ちではなかった。
「悪いけど、今日は帰る。こう言うの、あんまり好きじゃない」
 美千代の手が滋から離れた。靴を履いて玄関を出る。角を曲がる前に後ろを振り向いたが美千代は追って来なかった。
「えー、お兄、振って来ちゃったの?」
 家に戻ると寛子が呆れ顔で言った。
「うん。美千代はその積もりだったみたいだけど、あのままエッチしちゃったら、何かすごい惨めに思えたんだ」
「薬が効き過ぎちゃったね。怖いよ、女を本気にさせると」
「本気にって、美千代が、俺に?まさか」
「だからお兄は甘いって言うか、馬鹿正直なんだよ。ま、そこがお兄の良さでもあるんだけどさ。多分、美千代が振られたの、これが初めてだと思うよ。だから、意地になるわ。本気って言っても、私の本気とは全然違うけど」
 寛子が左右に首を振った。
「でも、その方が良かったかな」
「どういう意味?」
「美千代は必死でお兄を口説くよ。それで、モノになったところでお兄を振るよ。仕返しにね。そうじゃないとプライドが許さないから」
「何でそれがいいんだよ」
「こっちの話。お兄は黙って美千代の言いなりになって。そうすれば何回かエッチして、それで終りにできるから」
 滋が寛子の目をまじまじと見詰めた。
「美千代も怖いと思ったけど、寛子の方がもっと怖いな」
「へへ、今頃分かった?」
 寛子が真顔になった。
「お兄と私はいつまで経ってもお兄と私。ずっと変わらないんだよ。お兄にもう飽きたって言われたら諦めるけど、それでも私はお兄の妹なの。これって、死ぬまで変わらないんだよ」
 滋も漠然と同じことを考えていた。自分と寛子はこれからもずっと兄妹である。例え気まずくなってもその縁が切れる訳ではない。まして、その妹と気持ちも身体も深く結ばれてしまった今、この先どうして行けばいいのか。いくら考えても答えは見えなかった。
 最初は親に打ち明けて許して貰うことも考えた。しかし、どう考えてもできっこない。母親は半狂乱になりそうだし、父親は出て行けと言うに違いない。それでもいいと強がってみても自分はまだ高校生。このまま妹と一緒に家を飛び出しても、果たして妹と一緒に満足できるような将来が築けるかどうか、その自信も無かった。
「お兄、あんまり真剣に考えないで」
 ハッと目を上げると寛子がニッと笑いかけた。
「何とかなる。ううん、何とかするから」
 滋には寛子の考えが分からなかった。それでも、妹の目を見ていると何故か気持ちが楽になった。
「お兄、これから凄いことになるよ」
「何だ、その凄いことって?」
「美千代はね、あれでも同級や同学年の男の子の間では結構憧れの的なんだ。その美千代をお兄が振ったとなると、女の子達の間でお兄の株がぐーんと上がるんだ」
「どうも寛子の言うことはよく分からない」
「そのうち分かるって。暫くは美千代の出方を見るしかないね」
 その晩も勉強が終わると寛子が滋をしっかり口に含んでくれた。今の自分には寛子しかいない。そう思った。美千代の顔も浮かんで来た。抱いてしまうことに後ろめたさを感じていた。でも、昼間の美千代を見てスーッと気持ちが楽になった。もしかしたら寛子は美千代の性格も分かっていながら自分をけしかけたのかも知れない。
 嬉しそうに口を動かし続ける寛子の口元を眺めながら、自分は一生この妹から離れられないような気がした。寛子が上目遣いに滋を見て、うんうんと頷いた。まるで心の内を見透かされているような気がした。
 それから一週間、貰った携帯が鳴ることはなかった。これまで携帯を持つ習慣の無かった滋は机の上に置きっぱなしにしていた。
「お兄、そう言うの不携帯って言うんだよ」
 夜、勉強に来た寛子が笑った。
 その晩、いつものように寛子が滋の足元にしゃがみ込んで口に含んでいると携帯が鳴った。滋が寛子の頭を叩いて止めさせようとしたが、寛子は口を離さなかった。仕方なく滋が携帯に出た。
「はい」
 滋はいつもそれしか言わない。相手は美千代だと分かっているからである。美千代はそれも面白くないようだった。
「ねえ、何でそっちから掛けてくれないの?もう使い方憶えたでしょ」
「いや、この間教えて貰わなかったから」
「だったら、寛子にでも聞けば」
「うん。今度聞いておくよ」
 滋は気が気で無かった。寛子が面白がって口を激しく動かしている。流石にその瞬間にまともに喋れるかどうか、自信が無かった。
「ちょっとごめん。下で呼んでるから。もう少ししたら掛け直す」
 美千代が何か言う前に滋が電話を切った。
「駄目だったら・・・・・・」
 滋の腰がとろけた。寛子が凄い勢いで滋を吸い込んだ。
「へへへ、感じた?」
 顔を上げた寛子が悪戯っぽい目で滋を見上げた。滋が弾んだ息を鎮めようと必死になっていた。
「もう、やばいよ。話してる間にいっちゃったら、絶対ばれるって」
「だと面白かったのに」
 寛子が立ち上がって椅子を寄せた。
「さ、彼女がお待ちかねよ。電話して上げれば」
 寛子が着歴から電話した。
「お客様がお掛けになった・・・・・・」
 無機質なアナウンスが流れて来た。
「はは、美千代の奴、頭来て電源切っちゃったわ」
 寛子がケタケタ笑った。
「もう、その電話返しちゃいなよ。今更美千代抱く気も無いでしょ?」
「そうだな。これ以上何かするのも悪いし」
「だよね。私も悪趣味だったってちょっぴり反省してる。じゃ、お休み」
 寛子がウィンクして出て行った。
 翌日、滋はその携帯を美千代の家のポストに放り込んで来た。顔を合わせるのも気まずいと思ったのである。ところがその次の日、滋の家のポストにその携帯が戻っていた。どうやら美千代は意地になっているようだった。
「おお怖、女の執念って恐ろしいわね」
 寛子が肩をすくめた。
「こうなったら無理にでもお兄をモノにする気みたい」
「弱ったなあ」
「お兄次第だよ。徹底的に振っちゃってもいいし、好きなようにさせてもいいし」
「上手い振り方、教えてくれよ」
「そんなの簡単よ。でも、折角だから抱いて上げれば?」
「ブルブル、後が怖そう」
「言えてるかも。ここまで執念深いとは思わなかった」
 次の日、滋が学校から戻ると部屋で携帯が鳴っていた。
「はい」
 いつものように滋が素っ気なく電話に出た。
「これから来て」
「今から?」
「うん、すぐに」
 美千代は怒っているようだった。
「分かった。今から行く」
「家の前まで来たら電話して。左の矢印押して、真ん中押して、発信押して。分かった」
「うん」
「早く来てね」
 美千代が電話を切った。仕方なく滋が家を出た。寛子はまだ戻っていない。自分で片を付けるしか無さそうだった。
 美千代の家の前で滋が携帯を操作した。最初は上手く行かなかったが、二度目に呼び出し音が聞こえた。すぐに美千代が出た。
「玄関開いてるから、入って。携帯は切らないで」
 言われた通りに滋が玄関に入った。
「階段上がって、私の部屋に来て」
 何で美千代が出て来ないのか、滋が首を傾げた。わざわざ携帯で案内する必要など無いからである。
「忘れてるかも知れないけど、階段上がった右の部屋よ」
 滋がドアを開けた。目の前に裸の美千代が立っていた。
「えっ、何?」
 滋が慌てて携帯で喋った。
「もう携帯じゃなくていいわよ」
 参ったなあ、そう思いながら滋が携帯を切った。美千代が滋の目の前に立っている。想像した通りの見事な身体だった。大きな張り詰めた胸、乳首も寛子より大きめだった。下の毛は濃い。その黒々とした茂みが女の部分を覆い隠していた。
「何か着たら」
 不自然な空気に堪えられなくなった滋が思わず言った。
「着る必要なんか無いわ。滋さんも脱いで」
「ねえ、よそうよ」
「何で。抱きたくないの?」
「分からない人だなあ。僕はエッチのためだけのエッチはしない。好きになれば勿論抱きたいと思うけど、こんな意地の付き合いでエッチなんかしたくないよ。それに、今日はコンドーム持ってきてないし」
「コンドームなんて要らないわよ」
「安全日なの?」
「さあ」
「馬鹿野郎」
 滋が切れた。右手が美千代の頬に飛ぶ。叩くと言うよりも押すような手の振り方だった。美千代の身体がベッドに倒れた。
「意地でエッチして、もし子供ができたらどうするんだよ。簡単に堕るせるなんて考えちゃ駄目だよ」
 美千代の喉から嗚咽が漏れ始めた。
「だって、滋さん、私のこと全然見てくれないんだもん」
「だからって、こんなことしたら、ますます嫌いになっちゃうよ」
 そう言いながら滋自身面映ゆい気持ちを隠せなかった。人に偉そうなこと言えた柄じゃない。寛子との関係を続けたまま美千代ともこんな状況になっている。ここは美千代のためにも絶対に手を出してはいけないと思った。
「服、着なよ」
 美千代が素直に頷いた。
「裸見せても抱いてくれなかったの、滋さんが初めて」
 滋がギクッとした。あんなに高慢で我が物顔に振る舞っていた美千代が素直になっていた。
「ごめんなさい。こんなことして」
 服を着終わった美千代が滋の前に立った。
「キスしてもいい?」
 美千代が寛子と同じ目をしていた。滋が小さく頷くと美千代が唇を重ねて来た。これまでとは全く違うキスだった。抱き付いた美千代が離れなくなった。
(お兄と私はいつまで経ってもお兄と私)
 その言葉が滋の頭の中で何度も聞こえた。
「あの美千代がねえ」
 夕方戻った滋が美千代のことを話すと寛子が考え込んだ。
「あの子が素直になるなんて」
 寛子が滋の目をジッと見詰めた。
「お兄って、やっぱり真面目なんだよねえ。私のことなんか棚に上げて平気で美千代を抱いちゃう方が普通だと思うよ。据え膳食わぬは男の恥なんちゃって。私が知ってる男なんてそんな連中ばっかし。だから私もお兄に熱上げちゃってるんだけどさ」
「俺もちょっと気になってるんだ。美千代が俺に惚れちゃうなんてこと、あるかな?」
「もう惚れてるよ。間違いなく。あの高慢ちきが素直になったのが何よりの証拠」
「参ったなあ」
「これからどうする?美千代と付き合ってみる?」
「無理だよ。本気で付き合うなら寛子とは・・・・・・」
 言葉が続かなかった。相手は妹。単純に別れると言う訳には行かない。
「うん、分かる。お兄の性分だとそうなるよね」
 また寛子が考え込んだ。
「でも、もし、仮にの話だけど、私がいなかったら美千代と付き合ってもいいって思う?」
 今度は滋が考え込んだ。最後に見せた美千代の目が少し気になっていた。
「うん、分かったよ」
 返事を待たずに寛子が言った。
「お兄、暫く美千代の様子見なよ。それで、もし付き合ってもいいって思えたら、そうして」
「寛子は?」
「私は平気。お兄はお兄だもん」
 寛子が滋に抱き付いた。
「私はお兄が好き。お兄も同じだと思う。ずっとこうしていたいよ。でもさ、私たち兄妹じゃない。それはどうやっても変わらない。変えられない。だから、私はお兄を縛らない。お兄も私を縛らないで」
 寛子が激しく唇を合わせた。
「美千代を抱いて。平気って言ったら嘘になるけど、でも迷わないで。私だっていい人できたら抱かれるかも知れないよ。その時はお兄も我慢して。できる?」
「分からない。でも、それしか無いよな」
「うん。自分でも狡いって思う。だけど、私たちが付き合って行くのって、他に無いじゃない?」
 もうすぐ十二時になる。勉強の時間が終わろうとしていた。
「それで、もしお兄が大学出ても他にいい人がいなかったら、その時はその時で考えよう」
 寛子が床にしゃがんで滋のズボンに手を掛けた。滋が少しためらった様子を見せたが、寛子は首を横に振ってジッパーを下ろした。
「駄目、今日はするの!」
 下着の合わせ目から滋が飛び出した。しっかり固くなっていた。寛子が唇がまとわりつく。上目遣いに滋の目を見ながら、その唇がヌメヌメと先端をしごき始めた。舌の先が敏感なところを左右に弾く。滋が寛子の頭を押さえて目をつぶった。いつもより少しだけ時間が掛かった。
 美千代からは暫く電話が来なかった。学校でも学年が違うので顔を合わせる機会は滅多に無い。たまに遠くから姿を見ることもあったが、美千代は何となく滋を避けているようだった。

---続く---
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