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「ひどい雨だったわね。さ、お風呂入っちゃお」
「えっ、うん」
滋が曖昧な返事をする。一緒に入ると言う意味なのか迷っているのだろう。
「ほら、早く風呂場に行って濡れたもの脱いじゃいなさい」
「うん」
純枝は滋を先に行かせて自分は暫く待った。滋が裸になって頃を見計らって行った方が逃げられないからだ。五分ほどして言ってみると中からシャワーの音が聞こえた。
「滋、ママもびしょ濡れだから入っちゃうわよ」
返事を待たずに脱衣場に入った純枝が素早く裸になる。ドアを開けて中に入ると滋が戸惑ったように横を向いた。
「全く、ひどい雨だったわねえ」
振り向いた滋が純枝の前を見て目を見張った。
「ママ、どうしたの?」
「何が?」
「あの、そこ」
おずおずと滋が純枝の前を指差した。
「ああ、これ。脱毛しちゃったの。この方がさっぱりするから」
滋が慌てて後ろを向いた。純枝は滋の前が大きくなっているのを見逃さなかった。ひとまず作戦の第一段階は成功である。
「ねえ、滋。あんたはどっちがいい?前みたいにビッシリ生えてるのと、今と」
「えっ、何?」
「ほら、ここの話し」
純枝が脚を少し開いて全く毛が無くなっていることを見せた。
「う、うん。今の方がきれい」
「そう、よかった」
滋が自分の前を気にしながら純枝の股間を覗いている。
「ねえ、それ。剃ったの?」
「ううん。それじゃ又生えて来ちゃうじゃない。レーザーで抜いたの。これだと殆ど生えて来ないんだって」
滋は眩しそうに純枝の方を見ているのだが、自分の方から手を出そうとはしなかった。純枝は自分の方から導きたいと言う気持ちを辛うじて押さえ込む。無理強いはいけない。滋自身がその気になるまで我慢しなければならない。既に自分の方は迎え入れる体制になっていたが、純枝はそう自分に言い聞かせて体を洗い始めた。
純枝がソファーに寝そべってテレビを見ている。脚を開いているのでキュロット中が丸見えになっている。斜め後ろに腰掛けている滋にはその姿がしっかり目に入っている筈である。暫くして滋が席を立って足早に二階に上がっていった。今見た姿をしっかりと目に焼き付けてこれからオナニーを始めるのだろう。
純枝がフッとため息をついた。純枝の体に興味を持ったことは間違いない。しかも、わざと滋の目に触れるような格好をしているのは分かっている筈なのに、何も言わず、何もして来ない。暴力的な行動に出られるよりはましだが、その辺の気持ちのやり取り。とりわけ女のゴーサインを目の前にして後込みしてしまう滋の引っ込み思案が歯痒くて仕方がなかった。
次の日はわざと流しの下の棚を時間を掛けて掃除した。四つん這いになった尻が滋のいるリビングの方を向いているのだが、やはり滋は黙って眺めているだけで立ち上がろうとはしなかった。溜まりかねた純枝が昭彦に電話で相談した。
「ねえ、もう三日。滋に見せつけてるんだけど、何にもして来ないのよ」
「気後れしてるんだよ。余りあからさまに見せられると案外駄目なものさ」
「じゃあ、どうしたらいい?」
「そうだな。酒でも飲んで寝込んじゃうとか、夜寝るときにドアを少しだけ開けとくとか。純枝が知らぬ間に触ったり出来るようなチャンスを上げてはどうかな」
「そうか、昭彦さんが私の舐めたみたいな状況作ればいい訳ね。経験者は語る、か」
「はっきり言うな。ま、そう言うことだ」
「私、お酒飲むと寝込んじゃうから、寝室のドア開けとく方がいいかな」
「寝込んじゃうんじゃ、酒も悪くないよ。知らない内にやられてたってのも悪くない。何回かそう言うことがあったら、今度は素面で寝た振りしてやればいい。入って来たところで目を覚まして、後は純枝の腕次第だ」
「分かった。兎に角、今晩から試して見るわ」
その晩、夕食の時に純枝はビールの小瓶を一本空けた。こんな量でも結構酔ってしまう純枝である。いつものようにソファーに俯せになってテレビを見ていると本当に寝込んでしまった。
気が付いたらテレビが消えて純枝の背中にバスタオルが一枚掛かっていた。滋の姿が見えないところを見ると自分の部屋に戻っているらしい。時計を見ると十一時過ぎだった。手を後ろに回して尻の方から自分の体を探ってみる。普段より濡れているような気がしたが、滋の青臭い匂いはしなかった。
シャワーを使った純枝がバスタオル一枚体に巻いて寝室に上がった。そのままベッドの上に仰向けに寝て電気を消す。滋の部屋にはまだ灯りがついていた。寝室のドアは昭彦の言うとおり僅かに開けておいた。そのまま純枝は眠ってしまったが、滋が来た様子は無かった。
---続く---