禁断と背徳の体験告白
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連載作品(官能小説)

二人の妻[第3話]|人妻・不倫・浮気

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二人の妻[第3話]

読了目安 3分15秒

[作品No 3] 2024/ 4/12(Fri)
「本当ですか?」
「本当だ。麻里がここに来ているなんて思いもしなかった。いや、もしも俺との思い出の宿ならなおさら、あいつに来れるはずがないと思っていた」
「私をここに連れてきたのは、それだけが理由なんですか?」
「そうだ」

江美子はしばらく目を伏せていたが、やがて顔を上げる。

「わかりました。隆一さんの言うとおりだと信じます」

江美子はそう言うと柔和な笑みを浮かべる。

「隆一さんは気になりますか? 麻里さんのことが」
「いや……」

隆一は首を振る。

「さっきはいきなりだったからこちらも驚いただけだ。あれからもう5年以上もたつし、俺には今は江美子がいる」
「それなら、折角の旅行ですから、楽しみましょう。こちらが気にしなければいいだけのことです」

江美子は冷めかけたお茶を一気に飲み干す。

「お茶を淹れなおしましょうか」
「いや、だいぶ歩いたせいか、喉が渇いた。俺もこれでいい」

隆一も湯飲みの中のお茶を飲み干す。

「それじゃあ、お食事前にお風呂に行きましょう」

江美子は立ち上がると隆一を誘った。


Tホテルは和風の温泉旅館であり、男女別に別れた室内の大浴場だけでなく、タオル着用の混浴の露天風呂、またいくつかの貸切の家族風呂がある。江美子は隆一と別れ、室内の女湯に向かった。

チェックイン間もない時間でもあり、風呂には先客は3人しかいない。うち一人は60過ぎ、もう2人は江美子とほぼ同年代と思われる母親とその娘らしい少女である。

少女は母親に髪を洗われながらきゃっ、きゃっと楽しそうにはしゃいでいる。江美子はそんな母娘の姿をぼんやりと眺めている。

(理穂ちゃんと麻里さんも、やはりこのお風呂の中であんな風に楽しそうにしていたのだろうか……)

母親はケラケラと笑う娘をたしなめつつも、慈愛のこもった眼差しを向けている。江美子は軽く身体を洗うと湯船に浸かり、ゆっくりと手足を伸ばす。

日頃溜まった疲れが湯の中に溶けていくようである。江美子は母娘の姿を見ながら先ほど出会ったばかりの麻里のうろたえたような顔を思い出す。

(麻里さんはやはり理穂ちゃんと暮らしたいだろう。理穂ちゃんも本当はそうなのでは……)

母と娘は仲良くてを握り合って風呂から出る。江美子がぼんやりと湯船に浸かっているうちに何時の間にか60過ぎの女性はいなくなっている。一人になった江美子がうとうとしていると、扉が開く音がして新たな客が入ってくる。

顔を上げた江美子は、それが麻里であることに気づく。

「あ……」

麻里は一瞬戸惑ったような顔をするが、やがてお辞儀をすると洗い場に腰をかけ、軽く身体を洗い、湯船に入ってくる。

「先ほどはご挨拶もせずに失礼致しました。中条麻里と申します」
「こちらこそ失礼しました。北山……江美子と申します」

裸のまま2人の女は湯船の中で向かい合う。

「いつも理穂が大変お世話になっています」
「いえ……」

江美子は首を振ろうとして、麻里に尋ねる。

---続く---
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