禁断と背徳の体験告白
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連載作品(官能小説)

二人の妻[第13話]|人妻・不倫・浮気

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二人の妻[第13話]

読了目安 3分29秒

[作品No 13] 2024/ 4/16(Tue)
「わかっている……そんなことは俺の独りよがりだって言うことは。あの時、結果的に麻里はお前を選んだ。それについてどうこう言うつもりはない。しかしそれを言うなら五年前のことだって、結果的に麻里が俺を選んだと言えるだろう」
「一緒には出来ない。麻里と俺は結婚していた」
「だから俺はお前に慰謝料を払った。だが、気持ちの上で俺がいつまでもお前に負い目を持つ必要はないんじゃないのか?」

江美子はいつの間にか有川の言葉に聞き入っていた。隆一と麻里が別れるにいたったのは、有川が一方的に悪かったわけではないということなのか。そこに至るまでの三人の長い歴史があったということか。

「多少の行き違いはあったが、俺はお前とはいい友達だったと思っている。今までの人生で、お前ほど気が合う奴はいなかった。学生時代のような関係に完全には帰れないかもしれないが、多少でも付き合いを元に戻したい」

有川は真剣な顔を隆一に向けている。

「お前と麻里は結婚するときに、俺とはいずれ俺の女房を含めて家族ぐるみで付き合いたいとまで言ってくれたじゃないか。多少組み合わせは変わったが、これからでもそれが実現できないか」
「そんなことが……」
「理穂ちゃんのこともあるだろう」
「理穂に何の関係がある?」

有川の言葉に隆一は気色ばむ。

「お前と離婚したとはいっても、麻里が理穂ちゃんの母親であることには変わりない。そういう意味では一生何らかの形でかかわっていかなければならないんだ。憎み合っているよりは、関係を良くしたほうがましだろう」
「理穂がお前に何か言ったのか?」

隆一は有川にいぶかしげな眼を向ける。

「まさか……理穂ちゃんにとって俺は母親を奪った男だ」

隆一は次に麻里に視線を向けるが、麻里も首を振る。

「有川」
「なんだ」
「今回このホテルで俺たちに会ったのは、本当に偶然か?」
「もちろんそうだ」
「さっきお前は、俺の行動はだいたい予想が出来るといっただろう」
「どこに旅行して、どのホテルに泊まるなんてことまで予想できるもんか」

有川がおかしそうに笑う。

「ただ、T県に旅行するのにどこの宿がいいと麻里に尋ねたら、このホテルがいいと麻里が答えたのでここを選んだのは事実だ。麻里はお前と一緒に泊まったんだろうと思った。それとさっきも言ったが、俺とお前は昔から考え方も行動も似ていたからな。いつかこんな風にばったり出会うんじゃないかと思っていた」
「ふん……」

隆一は何か考えるような顔付きをしていたが、やがて微笑して有川の方を向く。

「俺とお前は似ていないところもあるよ」
「なんだ」
「俺は不倫はしない」

隆一はそう言うと有川の目をまっすぐ見る。有川は一瞬気圧されたような表情をしていたが、すぐに声を上げて笑い出す。

「こいつは一本とられたな。まあそれくらいで勘弁してくれ」

有川がさも楽しそうに笑うと、隆一も釣られて笑い出す。どうなることかと見守っていた江美子も、ほっと胸をなでおろす。麻里は少し居心地の悪そうな表情でもじもじしている。

「それじゃあ今晩が記念すべき和解の第一歩というわけだ。幸い4人とも風呂の中だし、これから裸と裸の付き合いをお願いするには丁度いい」
「あなた……」

麻里が再び有川をたしなめる。

---続く---
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