禁断と背徳の体験告白
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連載作品(官能小説)

侵略[終章 独白]|寝取り・寝取られ

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侵略[終章 独白]

読了目安 2分37秒

[作品No 23] 2024/ 4/ 6(Sat)
 亜紀美と修造が旅立った翌朝。誰もいないわが家で、私は目覚めた。
(今頃、叔父と妻は二人きりの朝を迎えているのだろうか)
空はどこまでも碧く澄んでいる。吹き抜ける一陣の爽やかな風。
(それならそれでいい……いや、そうあってほしい)
 愛する者を盗まれることに暗い悦びを覚えずにいられない。思春期に開花させられた屈折した性癖。
 封印していた過去が解き放たれて以来、私は叔父に、妻を寝取るお膳立てをしてきたような気がする。
 叔父の同居を拒まなかったこと。妻と二人きりになる時間を作ったこと。会社から電話の一本すらしなかったこと。温泉宿で先に眠ったこと。三日間の出張を請けたこと……すべては関係の進行を望む潜在意識ゆえの行動ではなかったのか。
 なのに今、私の心はこの空のように晴れ渡ってはいない。
(それは、俺が……)
 想いは忌まわしい記憶の続きへとリンクする。

 ……母の四十九日を終えた夏の夜。体調を崩した私は、一人きりになったアパートで寝込んでいた。
(……このまま死んでしまうのかな……)
 押し寄せる孤独、不安。朦朧とした状態がふと途切れた時、何かが布団に侵入してきた。
「じっとしていろ。何も心配することはない」
 修造だった。寝間着代わりのトレーナーが脱がされ、パンツを降ろされていく。
「……ああ……叔父さん……」
 強い者に支配され、服従する安堵感。私は涙を流しながら、叔父を受け容れた……

 あれは現実の出来事だったのだろうか。高熱が見せた束の間の夢だったのか……わからない。
 確かなのは、深い怖れと激しい憎悪、そして倒錯した愛の結晶こそ、叔父に対する私の感情の真実だということだ。

 私は修造に亜紀美を盗まれ、亜紀美に修造を奪われてしまった。狂おしきパラドックス。救いのない迷宮。嫉妬が切なく胸を焦がす。
 もしも修造と亜紀美が帰ってきたとしたら……。
(……二人を殺してやろう……)
 もう手放しはしない。愛する彼らを永遠に私だけのものにすることで、杉山家二代にわたる呪われた物語に終止符を打つのだ。
 無論、私とて生きてはいない。
(父さんがいる。母さんもいる。皆で愛し合いながら、仲良く暮らすんだ)
 書斎のデスク。引き出しからハンティングナイフを取り出し、刃に宿る鋭い磨光を確認すると、ジーンズのポケットに仕舞った。官能的な恍惚に包まれていく。
(俺は……幸せだ……)

 そして私はデスクトップPCを起動する。掲示板に新たな書き込みをするために……。

---完---
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