禁断と背徳の体験告白
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連載作品(官能小説)

黒の凱歌[第1部 第4話]|SM・調教・性奴隷

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黒の凱歌[第1部 第4話]

読了目安 2分31秒

[作品No 4] 2024/ 2/ 3(Sat)
自宅の居間でひとり座りながら、美枝子は今日の授業の予習をしていた。だが目はアルファベットの羅列をなぞるだけで、思考はまとまらない。
この前の土曜日に大宮に言われたことが、知らず知らずのうちに頭を巡っている。
美枝子は大宮という男を好きではない。授業の最中でも、鼻を伸ばして露骨にいやらしい視線で見つめてくる大宮は、美枝子にとって耐え難い存在だった。
だが、大宮が言っていた「わるい噂」を無視するわけにはいかない。
たしかに岡が英会話教室へ来ることになってから、もとからいた生徒は全員やめてしまっていた。かわりに入ってきたのは岡の知り合いで、皆、そろいもそろっていかにもチンピラ然とした若者ばかりである。
(やはり一度きっぱりと言うべきかもしれない)
だが、下手に彼らに何か言うと、逆上されてかえってひどいことになりそうな気もする。
美枝子は懊悩していた。
そのとき、電話が鳴った。夫の忠明からだった。
「どうした、なんか声が暗いぞ。何かあったのか。大丈夫かい」
ちょっと話しただけで、忠明は妻の異変を察したようだった。長年連れそっている夫婦だけに、お互いの心の動きが声だけでも分かるようだった。美枝子はふと胸をつかれる。思わず涙ぐみそうだった。
「なんでもないの。ちょっと疲れただけよ。心配しないで」
だが、夫に心配をかけまいとする心遣いが、美枝子に嘘をつかせた。
「本当に大丈夫なのか。何かあるんなら言えよ」
「本当に何もないわ。ありがとう、あなた」
「礼を言うことはない」
受話器の向こうで照れている夫の顔が目に浮かぶようだ。
(愛しています、あなたを)
美枝子は声に出さずに、強くそう想った。その想いが夫のもとまで届けばいい、と真剣に願った。

驚いたことに、美枝子が授業の始まる三十分前に庭にあるプレハブの教室へ入ると、そこにはすでに生徒全員――岡とその友達の藤吉、金子、元倉がそろっていた。
美枝子が入ってくるのを見て、岡たちは不意に黙り、ちらりちらりとお互いに目くばせした。美枝子はそれを敏感に見て取って、急に胸が騒いだ。
「どうしたの、今日は皆、早いのね」
美枝子は努めて平静を装い、そう声をかけた。
返事はなかった。
かわりに、藤吉がさっと立ち上がった。そのまま敏捷な動きで出入り口へ向かった。
「何を・・・」
言いかけた美枝子は、そのとき残りの生徒たち全員が自分に向かって飛び掛ってくるのを見た。

---続く---
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