禁断と背徳の体験告白
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連載作品(官能小説)

黒の凱歌[第1部 第2話]|SM・調教・性奴隷

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黒の凱歌[第1部 第2話]

読了目安 3分23秒

[作品No 2] 2024/ 2/ 2(Fri)
その日は朝から気分が晴れなかった。
ベッドから出て狭い居間へ入ると、ソファの上で母親が寝ていた。昨夜も遅くまで仕事をして帰ってきて、そのままの格好でソファに寝たらしい。その疲れた横顔を見ても、祐樹にはなんらの同情も湧かない。ただ、いっそう不機嫌になるだけだ。
父と別れた後の母は、以前にもまして身なりにもかまわなくなった。どこからどう見てもただの醜い中年女だ。仕事をして、帰ってきて、豚のように寝て、起きて、また働くだけの生き物。
もっとも祐樹の母に対する軽蔑の念は、昔からあった。小学校のとき、すでに授業参観に母がやってくるのがいやだった。人の目を過剰に気にするたちである祐樹は、普段いきがって格好ばかりつけている自分の母が、なんの変哲もない平凡な女であると周囲に知られることが耐えがたかった。
授業参観といえば・・・祐樹は思い出す。その頃仲のよかった坂口という奴の母親は、凄い美人だった。すらっとしていて、しかもスタイルがよく、グラマラス。端正な容姿で性格も明るく、はきはきと喋る。何より、その切れ長の瞳の優しげな色合いが、今も心に残っている。
彼女こそ、祐樹にとって理想の母親像そのものだった。彼女はいま、自宅で英会話教室を開いているという。最近も二,三度、家の前を通りかかったが、中学生らしい自転車がたくさん停まっていたところを見ると、それなりに繁盛しているのだろう。
そこまで考えたとき、祐樹は少しだけ気分がよくなった。外へ出て行こうという気になった。
ソファで寝ている豚にはもう目もくれず、祐樹は玄関から外へ出た。

幸運というものは意外なときにやってくる。
駅前のパチンコ屋を冷やかしてから、近くのゲーセンへと向かっていた祐樹の目に、その幸運が歩いてくるのが見えた。
件の理想の母、そして現実には自分ではなく坂口忠志の母――坂口美枝子だった。
祐樹は深く考えることもなく近寄っていった。
「おばさん。お久しぶり」
突然、挨拶した祐樹に、美枝子は少しどぎまぎしたようだったが、すぐに明るい笑顔で
「お久しぶり。岡くん、でしょ?」
「そうです」
ふたりはしばらく雑談した。といっても、美枝子の息子である忠志と友達であったのは小学生の時期だけだったから、話す話題も少ない。
しかし、そのときの美枝子の話で、ちょっと衝撃だったのが忠志が今はあの名門T大の学生であるということだった。
(あの野郎・・・)
腹が立った。美人の母だけでなく、あいつは祐樹にとっては手も届かない学歴まで手に入れたのだ。奴の将来はきっとバラ色であるにちがいない。昔から要領のいい奴だった。たいていの奴に好かれ、たいていの奴より優れていた。そんなところがむかついてたまらなかった。
祐樹に問われて、ちょっと照れながら美枝子はそれでも少しだけ誇らしげに息子の行った大学について話したが、祐樹の現状については聞かなかった。高校へも行かず、働きもせずにふらふらしているとう風評を聞いているのだろう。
祐樹はそれに思い当たって屈辱でかっとなった。
「おばさんは今、英会話教室を開いているんでしょ」
気がついたら、そう口が動いていた。
「ええ、そうよ」
「俺も入っていいかな」
えっという顔で美枝子が祐樹を見つめた。
その顔を見ながら、祐樹は腹の底から湧き上がる邪悪な欲望を感じていた。

---続く---
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