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[前編]
「お兄ちゃん、男の人って、好きでなくてもエッチって出来るもん?」
夕食の後で美千代がボソッと聞いた。
「へっ、いきなり何言うんだよ」
美千代の兄、直也が目を白黒させた。
美千代は高校三年生。既に大学も推薦で決まっている。直也は二つ上の大学二年である。早くに両親を亡くした二人は生まれ育った家で一緒に暮らしていた。
「何かあったのか?」
直也が聞いたが、美千代は黙り込んで暫く口を開かなかった。
「彼氏ができたか?」
美千代が悲しそうに首を振った。
「彼氏じゃない」
「彼氏じゃないけど、エッチしたってか?」
美千代が力なく頷いた。直也がホーッと溜息をついた。何となくそんな気がしたのである。
美千代も先月十八になった。そういうことがあっても不思議は無い年頃である。本来なら歳の近い兄に相談するようなことでは無いのだが、家族は兄妹二人だけ。他に適当な相手がいないのだろう。
「人によると思うけど」
「お兄ちゃんだったら、しちゃう?」
「さあ。相手によるかな」
「相手の子が初めてだったら?」
「おいおい、初めてだったのか?」
「うん」
直也が暫く考え込んだ。
直也と美千代は小学校の頃から二人で暮らして来た。両親が飛行機事故でこの世を去ってしまったのである。賠償金は一人当たり一億以下だったが、二人分合わせれば何とか兄妹が生きて行くことは出来た。事故直後は母方の祖母が親代わりになったのだが、その祖母も直也が中学に入った年にこの世を去っている。
「俺じゃ、相談に乗れないかも」
「でも、お兄ちゃんならどうする?好きじゃなくても、相手がオーケーだったらエッチできる?」
「うーん、一概には言えないな」
「もう、そんなんじゃ、全然参考にならないよ」
「ごめん」
直也はそれでも美千代が相談してくれたことが嬉しかった。一人で背負い込まれてはどうにもならないからである。
翌日、直也は美希に電話を入れた。
「今晩、逢えないかな?」
「いいわよ。ナオの方から誘うなんて、久し振りね」
美希は直也をナオと呼ぶ。今年三十の大台に乗ったばかり。直也よりも十歳年上である。
「相談に乗って欲しいこともあるし」
「何だ、ただ逢いたいってだけじゃないのか」
美希が不満そうな声で言った。
「勿論、まず逢ってからだけど」
「いいわよ、言い訳しなくても。どのみち、しっかりする積もりなんでしょ?」
「うん」
直也が照れたように笑った。
「待ってるわ。なるべく早く来てね」
電話が切れる前にチュッという音が聞こえた。
二人が知り合ったのは二年前の夏である。海水浴場で溺れかけた美希を直也が助けたのが縁だった。
その日、湘南の外れの海水浴場には台風の余波で時折うねりが押し寄せていた。うねりと言っても二メートル以下。遊泳禁止にはなっていなかった。
直也が波打ち際から少し沖で泳いでいると、前触れも無しにそれまでに無かった大きな波が来て直也が飲み込まれた。やっとのことで水面に顔を出す。さっきまで目の前にいた女の姿が見えない。慌てて周りを見回した直也の足に何かが触れた。
慌てて直也が海に潜る。濁った海底にピンクの水着が見えた。脇の下に手を入れ、思い切って引き上げる。辛うじて足が着く深さだった。水面に引き上げた女の顔は白く、呼吸している様子が無い。
直也がその女を引きずって砂浜に上がった。周りの海水浴客に救急車を頼み、寝かせた女の鼻を摘んで人工呼吸を試みた。思い切って息を吸い込むとゲボゲボと女が水を吐き、微かに呼吸が戻って来た。
「良かった」
直也が女を見ながらそう叫ぶ。女が目を開け、驚いたように周りをキョロキョロ見回した。
「えっ、どうしたの?私」
「波に飲まれて、溺れたんですよ」
「嘘!」
そこにパトロールが駆け付けて来た。
「大丈夫ですか?」
「ええ、水を吐かせたら、呼吸が回復しました」
「今、救急車呼びましたから、そのまま寝てて下さい」
パトロールの男が起き上がろうとする女を制した。
「あっ、来ました」
パトロールが指差した方角で赤いランプが点滅していた。
直也は家族と間違われ、一緒に救急車に乗せられた。仕方なく病院で検査が終わるのを待つ。夕方になり、異常無しとのことで女が解放された。
「ありがとう。あなたのお蔭で助かったわ」
「いえ、目の前でいなくなったんで、慌てて探したら足元に沈んでたんです」
「泳ぎには自信があったんだけど、突然の波だったんで水飲んじゃったみたい」
「ところで、浜に戻らないと」
直也が時計を見ながら言った。既に四時半を回っている。
「そうね。でも、お金、持ってないわ」
「僕も」
「タクシーに頼んでみようか?」
「それしか無いみたい。荷物とか、着替えはどこ」
「海の家のロッカーよ。鍵は持ってるわ」
女が腕にゴムでくくられた鍵を見せた。
「家族とか、一緒に来た人は?」
「一人で来たの。あなたは?」
「僕も」
「じゃあ、タクシーに聞いてみよう」
女が病院の入り口で客待ちしているタクシーに話し掛けた。
「すいません、私が溺れ掛けて、ここに運ばれて来ちゃったんです。幸い大丈夫だったけど、浜に戻らないとお財布が無くて。着いたらお払いしますので、お願いできますか?」
「浜って、どの辺?」
「海の家のロッカーまで。何て言う名前だっけ、確か黄色っぽい建物だった気がするけど」
「ああ、藤野屋かな。いいですよ、乗って下さい」
「駐車場の方がいいんじゃないかな?」
直也が口を挟んだ。
「県営だから、分かりますよね?」
「ああ、その方が浜まで歩くより早いかも」
二人が乗ると運転手が車を発進させた。駐車場までは二十分くらいだった。
「はい、これでお願いします」
車から財布を取って来た直也が料金を払った。
「ごめんなさい、後で払うから」
女がロッカーから着替えと荷物を出した。
「ねえ、お腹空かない?」
女が水着の上からワンピースを羽織りながら聞いた。
「うん。かなり空いちゃったね」
「じゃあ、車でどっか行こう。この辺じゃ大したもの食べられないし」
「そうしようか」
車に戻った直也も水着の上から短パンとTシャツを羽織った。
「何で一人で来てたの?」
車を発進させると直也が聞いた。
「ちょっと嫌なことがあったの。一人で家にいても気が滅入るだけだから」
女は三十前に見えた。細面に肩までのロングヘアー。柔らかそうな髪がいかにも女らしい。これまで間近に見たどの女よりもきれいな顔立ちをしている。運転しながら直也が横目でチラチラ見ると美希が笑った。
「遠慮しないでいいわよ」
「べ、別に遠慮なんかしてないよ」
「そっか、運転中じゃ仕方ないか。そう言えば助けて貰ったのに、まだ名前も聞いてなかったわね」
「木村だけど」
「名前は?」
「直也」
「私の名前はさっき病院で聞いたでしょ」
「うん、美希さんって言うんだね」
「うん。一昨日までは正木美希。でも、昨日、植田美希に戻ったの」
「戻ったって、離婚?」
「うん」
「嫌なことって、それ?」
「うん」
「まさか、死ぬ気だった訳じゃないよね」
「当たり前よ。離婚くらいで死んでたら、命が幾つあっても足りないわ」
「良かった。余計なことだったかなって、チラッと思っちゃった」
美希が直也の顔をジッと見た。ちょうど信号で停車中だったので直也も真っ直ぐ見返した。胸が締め付けられた直也が小さく息を吐いた。
「直也くんじゃ固いから、ナオって呼んでもいい?」
「えっ、構わないけど」
「私はミキって呼んで。名前そのままだけど」
「何か恋人同士みたい」
「嫌?」
思い掛けない美希の言葉に直也がどぎまぎした。
「全然。もうキスしちゃったし」
直也が笑いながら言った。
「えっ、嘘。いつ?」
「見様見真似だけど、浜辺で人工呼吸したんだ」
「あら、気が付かなかったわ」
「気を失ってたからね」
「そっか、もうキスされたんだ」
美希がおかしそうに笑った。美希が全然嫌そうな表情を見せないので直也がホッとした。
後の車が二度続けてクラクションを鳴らした。話している間に信号が青に変わっていた。直也が慌てて車を発進させた。
「ねえ、食べる前にどこかでシャワー浴びない?身体が潮でベトベト」
美希が腕を撫でながら言った。
「海の家はもう閉まってるよ」
「別に、海の家じゃなくてもシャワー浴びられるわよ」
美希が道の先に見えるホテルを指差した。かなり大きなリゾートホテルである。
「あそこなら食事もできそうだし」
「何か高そう。手持ち、二万くらいしか無いよ」
「勿論私持ち。助けて貰ったんだから」
ホテルに車を乗り付けると美希がサッサとフロントに行った。直也が車を停めてから追い掛けると、既に部屋の鍵をクルクル回して待っていた。
「レストランも予約しておいたわ。八時から。中華だけど、いいわね?」
直也が時計を見た。まだ六時前である。シャワーを浴びる時間にしては長いなと直也が思った。部屋に入ってみるとダブルだった。直也がチラッと美希を見た。
「ホテル代と食事は私の気持ち。でも、これから先はお礼なんかじゃないのよ」
美希がそう言いながらワンピースを脱いだ。下は水着である。そのハイレグの水着を肩から外し、ゆっくり脱ぎ捨てた。小振りだが形のいい胸である。ウェストから腿にかけても完璧なプロポーションだったが、下腹の真ん中に大きな縦の傷痕があった。
「非道い傷でしょ」
美希がその傷痕を指でなぞった。
「手術したの?」
直也が恐る恐る聞いた。
「うん、筋腫になっちゃったの。握り拳よりずっと大きかったんで、全部取るしか無かったみたい」
「筋腫って、子宮?」
「うん」
美希がちょっと寂しそうな顔をした。
「お蔭で心配なく遊べるようになったけど、もう子供は産めなくなっちゃった」
美希がニコッと笑った。
「気にしないで」
「うん」
直也も服を脱いだ。水着を脱ぐと美希が無遠慮に覗き込んだ。
「変な話して、萎んじゃった?」
「そう言う訳じゃないけど」
「さ、シャワー使おう」
風呂場に入ると美希がシャワーの温度を調節して直也の身体に掛けた。
「座って」
美希が両手に石鹸を塗りたくって直也の身体を擦り始めた。男と女と言うよりも、母親に洗って貰っているような気分だった。
「立って」
美希は脚の間も遠慮無く擦って行く。固くなり始めた前もためらわずに握りしめた。
「彼女、いる?」
美希が上目遣いに聞いた。
「いや、今はいない」
「じゃあ、遠慮しなくていいわね」
美希が石鹸を洗い流し、直也の前にしゃがみ込んだ。見上げた目がニッと笑い、形のいい唇が直也を包み込んだ。
十八になった直也だが、女運には恵まれなかった。高校時代は全く相手にされず、大学に入ってようやく彼女が出来たのだが、二、三度抱いただけであっさり振られてしまった。それが直也の初体験だった。
「これで大丈夫?」
直也が怖ず怖ずと聞いた。美希は口を離さず、何という顔で直也を見上げた。
「小さくない?」
直也がもう一度聞き直すと美希がニッと目だけで笑った。ようやく口を離した美希がフーッと息を吐いた。
「小さいって、ここの話?」
美希が固くなった先端を摘んで二、三度振った。
「うん」
「もしかして、初めて?」
「初めてじゃないけど、一人しか知らないし、それも三回くらいしただけだから」
直也が正直に前の彼女のことを話した。
「うーん、凄く大きいってほどじゃないけど、十分だと思うわよ」
美希が指を輪っかにして先端の太さを確かめた。
「ならいいんだけど」
「きっとナオが下手くそだったんで、それで振られたんじゃない?でも、初めてじゃ無理無いのにね」
美希が自分の身体に石鹸を塗り始めた。慌てて直也が手を出した。
「僕に洗わせて」
「洗ってくれる?」
美希がニコッと笑って石鹸を手渡した。一通り身体を擦ったところで直也が美希の顔を見た。女の部分も洗っていいのか、目で聞いたのである。美希が黙って頷いた。
「くすぐったい」
直也が脚の間に指を入れると美希が腰を捩った。
「優しく洗ってくれるのはいいんだけど、そんなにおっかなびっくりじゃ、くすぐったいだけよ」
美希が直也の指を持って襞の中を擦らせた。
「この位しっかり洗わないと」
「うん」
美希がニコッと笑った。
「ねえ、私が言う通りにできる?」
「うん。教えてくれれば、その通りにする」
「怒らない?」
「全然。正直言って、男と女のことなんて殆ど知らないんだから」
「素直になれるってことは、ナオって優しいんだ。女に色々言われるのって、嫌がる男が多いのよ」
「そう言うもの?」
「うん、別れた亭主も含めて、そんな男が多かったわ」
石鹸を流し終えた美希が直也の手を引いて部屋に戻った。
「食べに行く前に、一度抱いて」
直也がチラッと時計を見た。まだ一時間以上余裕があった。
「来て」
ベッドに仰向けになった美希が直也を抱き寄せた。唇が重なり、柔らかい肌が吸い付いて来た。
「助けてくれたのがナオで良かった」
「何で?」
「気が付いた時、ナオの顔が目の前にあったんでドキッとしたの。優しい目してた。抱かれてもいいと思ったの」
「そんなもの?」
「うん、男と女って、最初のインスピレーションが大事」
美希が手で探って来た。
「元気ね」
美希が脚を開いて直也を導いた。
「最初は私にさせて」
「うん」
直也はまだ何もしていないのだが、美希は既にヌルヌルになっていた。
「来て」
直也が半ば飲み込まれた。美希は入り口がきつく、奥も複雑だった。
「ね、全然緩くなんかないでしょ。前の彼女と、違う?」
「月とすっぽん。こんなに気持ち良くなかった」
「どう違う?」
「前の彼女はもっとノッペリしてたと思う。それに、こんなにきつくなかったし」
「でも、何となく一番奥が違うでしょ?」
「えっ、分からない」
「そうかも。二人目じゃ無理無いか」
美希が腰をグリグリ押し付けた。
「私のこと、どう思ってる?」
「素敵な人だと思う。僕には勿体ないくらい」
「こんなオバサンで、バツイチよ」
「そんなの、僕には関係ない」
余り動かない直也に美希が下から腰を回し始めた。直也が少し腰を上げて美希が動きやすいようにした。
「いい気持ちよ。ナオは?」
「僕も」
「いついってもいいわよ」
「うん、あんまり持たないかも」
「大丈夫。後でちゃんと埋め合わせして貰うから」
美希は両膝を突っ張って腰を回し続けた。直也が目を見ると美希が勢い良く唇を重ねて来た。
「素敵」
「ん、ん」
直也が切羽詰まった声を上げた。
「我慢しないで。思い切り良くなって」
美希が断続的に直也を締め付けた。
「だ、駄目・・・・・・」
直也がきつくしがみ付き、腰を押し付けた。
「いいわ、すごくいい」
美希の身体が細かく震えた。
「ねえ、何で僕とこうなろうって思ったの?」
ようやく息が収まったところで直也が聞いた。
「さっき車の中で私のことチラチラ見たでしょ。それで、私のこと嫌いじゃないなって感じたの。だから、こうなりたかった」
美希が腰をくねらせた。
「もしナオが嫌じゃなかったら、時々こうして可愛がってくれると嬉しいかな。勿論、嫌だったら今日だけでもいいんだけど」
「嫌だなんて。こうしているのが夢みたい」
「ありがとう。でも、あんまり私にのめり込まないでね。今風に言えばセフレかな。セックスフレンドでいいの」
「そんなのやだよ。ちゃんと彼女になってくれなくちゃ。僕が大学出たら、一緒になってもいいし」
「駄目よ。私、もう子供産めないんだから。それに、歳だって随分違うし」
「ミキは幾つ?」
「三十」
「ってことは十歳違いか。でも、そんなの関係ないよ。それに、子供だけが結婚の目的じゃないでしょ?」
「でも、あなたの両親がガッカリするわ」
「僕、両親ともいないんだ。小学校の時に飛行機事故で死んじゃった」
「あら、二人とも、一緒に?」
「うん」
「他に家族は?」
「母方の祖母がいたけど、今は妹一人だけ」
「妹さんって、幾つ?」
「高三」
「難しい年頃ね。兄妹二人っきりじゃ、もっと怖かったりして」
「ううん、小学校の時から二人きりみたいなもんだから、よその兄妹に比べたらすごく仲いいんだ。大丈夫だと思うよ」
「だといいんだけど」
美希が横目で枕元の時計を見た。予約した八時まであと二十分くらいだった。
「じゃあ、恋人になってくれる?」
美希がそう言って口付けした。
「うん。そうなれたら嬉しい」
「嬉しいのは私の方よ」
美希がもう一度口付けした。
「ところで、ミキはどうして離婚したの?」
直也が聞いた。
「このせいよ」
ミキが腹の傷をなぞって見せた。
「旦那は子供が産めなくなっても平気だって言ったんだけど、お姑さんがガッカリしたような顔したの。旦那が一人っ子だったんで、孫の顔が見たかったみたい。表面上は私を労ってくれたけど、やっぱり変わっちゃったのよね。それでも旦那が優しくしてくれれば平気だったと思うけど、みんなギスギスしちゃってさ」
「親って、そんなものかな」
「みたい。私の親も相手の家に申し訳ないって、何も言わなかったし。病気になったの、私のせいじゃないのにね」
美希が直也をそっと押し上げた。
「そろそろシャワー使って、食べに行こう」
「もうそんな時間」
直也が首を曲げて時計を見た。八時十分前だった。
「ね、そろそろでしょ」
「うん。食べて来たら、また出来る」
「それは私が聞く台詞。ナオが大丈夫なら、一晩中寝なくてもいいわよ」
食事は土地柄海鮮主体のメニューだった。
「お刺身なら和食の方が良かったかも」
美希が笑った。それでも直也は美希と一緒の食事が嬉しく、味は殆ど気にならなかった。
「そんな風に見られると照れちゃうわ」
また美希が笑った。
直也はまだ美希と一緒にこうして食事をしている自分が信じられなかった。これまでは憧れの対象でしかなかった素敵な女が恋人になっている。しかも、美希がそれを求めたのである。
デザートを待つ間、直也がジッと美希の目を見詰めた。美希はもう笑わず、直也の目を瞬きせずに見返した。直也の胸がジーンと痺れた。
食事を済ませた二人が部屋に戻ったのは十時前だった。
「今度はナオの好きなようにして。何しても構わないから」
裸になった美希がベッドに仰向けになった。
「そこにキスして、いい?」
直也が美希の下腹を指差した。
「勿論」
美希が脚を開いた。直也が足元に回り、そっと顔を寄せた。唇が美希の傷口に触れた。
「えっ?」
美希が驚いたように直也の口元を見下ろした。顔を上げた直也がニコッと笑った。
「おまじない」
「えっ、何の?」
「この傷が早く治りますようにって。勿論、内側からね」
「内側って?」
「ミキ、手術したこと、まだ引っ掛かってるんじゃない?」
美希がマジマジと直也の目を見詰めた。
「そんなこと言うと、ナオから離れなくなるかも」
美希の目が心なしか潤んでいた。
「僕の方が離さないと思うよ」
「さあ、先のことなんて分からないわ」
そう言いながらも美希が嬉しそうに直也の頭を引き下ろした。
「メチャクチャにして。今晩は寝かさないわよ」
直也が初めて美希の割れ目に口を付けた。茂みはそれほど濃くない。薄い襞を直也が唇で分ける。ポッカリ開いた入り口の奥に、周りよりも少し白っぽい肉の盛り上がりが重なっていた。直也が舌の先をそっと差し込んだ。
美希の言葉通り、その晩二人は殆ど寝ないで過ごしてしまった。直也が萎えそうになると美希が凄い力で締め付ける。半ば幻滅していた女との交わりが、まるで別の世界として直也を暖かく包み込んで行った。
それ以来、二人は恋人のような関係になった。それでも美希はなるべく直也との距離を取ろうとしたが、直也は美希から決して離れようとはしなかった。最近は美希も諦めたらしく、なるべく多くの時間を二人で過ごすようになっている。
電話したその晩、直也が美希のマンションを訪ねた。一週間ぶりの二人がベッドに倒れ込んだ。
「一週間って、やっぱり長いわね」
直也の足元に寝ころんだ美希が目の前に来たものを愛おしげに口に含んだ。
「すぐいきそうだから、最初は口でもいい?」
直也が美希の髪を撫でながら聞いた。美希がうんうんと頷いて口の動きを強めた。
一度果てても直也が萎えることはなかった。満足そうに頷いた美希が上から被さって来た。
「私たちって、これしか無いみたいだけど、一週間も無いと寂しいわね」
「僕だって。本当は毎晩でも欲しい」
美希は答えず、思い切り腰を回し始めた。粘っこい音が部屋に響く。美希が何度も唇を求めた。
「ところで、話って何?」
ようやく落ち着いた美希が聞いた。それでもゆったりとした腰の動きは止まらない。
「妹のことなんだ。どうも彼氏が出来たみたいなんだけど、相手がちょっと問題かも」
「彼氏って、セックスもしたってこと?」
「らしい。初めてだって言ってた」
「へえ、そんなことまで兄妹で話すんだ」
「うん。でも、あんまし細かいことまで聞けなくて。それで、ミキが相談に乗ってくれると助かるんだけど」
美希がちょっと考えてから聞いた。
「私のこと、妹さんに知られてもいいの?」
「別に、これまでだって隠してた訳じゃないよ。チャンスが無かっただけさ」
「うーん、きっと焼き餅妬くわよ」
「だって、自分だって体験して来たんだから、僕に焼き餅なんか妬く訳ないじゃない」
「ううん。それとこれは別よ。二人っきりの兄妹だから。ま、一度ナオのうちに行ってみようか?」
「うちがいいかな?」
「うん。まず妹さんと私が仲良くなるのが先決。じゃないと、何話しても聞いてくれないから」
「そうかも。妹は僕以外にはあんまり喋らないからね」
美希が動きを止めた。
「ねえ、上になって」
「うん」
美希が直也の腰を抱えたまま寝返りを打った。
最近の二人はむしろ荒々しく交わることが多くなった。そんな時は美希が下になって直也に任せる。最初の内、美希は子宮口の無いノッペリした奥を気にしたが、直也はむしろその包み込むような感触が気に入っているらしい。
「もっと、もっと強く」
美希が喘いだ。直也が美希の両膝を担ぎ上げた。
美希はその気になれば自在に締め付けることができるらしい。掻き回すような腰の動きは直也に任せ、自分は断続的にしっかりとした締め付けを続けた。
「いい、ミキ、凄くいい」
直也が思わず声を上げた。
次の土曜日、夕方になって美希が直也の家を訪ねて来た。二人が逢って肌を合わせるのは美希のマンションに決まっていた。
「今晩は、お邪魔します」
既に帰宅していた美千代が玄関で出迎えた。
「あの、どちら様ですか?」
「はじめまして。直也さんのお友達で、美希と言います」
「あっ、お兄ちゃん、兄のお友達ですか?」
「直也さん、いる?」
「まだ帰ってないんです。七時過ぎになるって言ってました」
実は、直也の留守は打ち合わせ通りである。いきなり三人が顔を付き合わせても話がしにくい。初っ端は美希に任せることにしたのである。
「あら、出掛けてるの?」
美希が時計を見た。
「まだ五時半か。出直して来ようかしら」
「いえ、上がって待ってて下さい」
「迷惑じゃない?」
「いいえ、どうぞ」
丁寧な応対だが、美千代は美希の様子を目の端でチラチラと窺っている。無理もないと美希が思った。どう見ても兄の直也よりかなり年上の美希。お友達という言葉がいかにも不似合いである。
[後編]
「美希さんって、いつからお兄ちゃんと付き合ってるの?」
お茶の用意をしながら美千代が聞いた。既に打ち解けた口の聞き方になっていた。
「一昨年の夏から。私が海で溺れちゃって、お兄さんが助けてくれたの」
「へえ、そんなことがあったんだ。お兄ちゃん、何も言わないんだもん」
「言いにくかったのかも」
「えっ、何で?」
「言わせないで」
「あっ」
美千代が顔を赤らめた。
「二人とも大人だから」
美希がニッと笑った。
「変なこと聞いていい?」
「何?」
「美希さんって、幾つ?」
「聞くと思った。三十よ」
「ふうん、お兄ちゃんより十歳上なんだ」
「うん」
美千代がお茶を注ぎながらマジマジと美希の顔を見た。
「お兄ちゃんの彼女がこんなきれいな人だったなんて、信じられない」
「えっ、きれいだなんて」
「ううん、すごくきれい。羨ましいかな」
「美千代さんだって、とっても可愛いわよ」
「そうかなあ?」
「うん」
美希はスリム系で、どちらかと言うと同性から羨望の目で見られることが多い。対称的に美千代はややポッチャリした体型だが、目が愛くるしい。
「お兄ちゃん、私のこと何か言ってた?」
美千代が探るような目で美希を見た。
「うん」
「それで、美希さんが今日来たの?」
「そんなところかな」
美千代がホーッと溜息を吐いた。直也が美希に相談したことを察したらしい。
「何かそんな気がしたのよね」
美千代が台所に行った。
「ご飯、食べて行くでしょ?」
「うん。そのつもりでおかずとか用意して来たわ」
美希が紙袋から大きめのタッパーを幾つか取り出した。
「一緒に準備しよう」
美希も立ち上がって流しの前に来た。
「ご飯炊いて、お味噌汁作って。おかずは持って来たので足りると思う」
「おかず、何?」
「豚の角煮とサラダ。お漬け物もあるわよ」
「美味しそう。お漬け物は何?」
「小茄子」
「わっ、大好き」
初対面なのに美千代はかなり打ち解けている。兄の直也が選んだ彼女だから美千代も無条件で受け入れる積もりらしい。
美希には二人の兄がいる。その兄達は美希が子宮筋腫になっても殆ど気にも留めなかった。嫁ぎ先と上手く行かなくなった時にも何も言わず、まるで他人事のようだった。
「ナオに電話する?」
美希が聞いた。
「ふうん、お兄ちゃんのこと、ナオって呼んでるんだ」
「うん」
「お兄ちゃんは美希さんのこと、何て呼んでるの?」
「ミキよ。名前そのまま」
「ナオとミキか」
「うん。最初の日から」
「ってことは、会ったその日にエッチしちゃったの?」
「ふふ、隠してもしょうがないわね。そうよ」
「そうなんだ」
美千代が支度の手を止めて考え込んだ。
「その話は後でゆっくりね」
美希がタッパーの蓋を少し開けて角煮をレンジに入れた。
「そろそろナオを呼んで。ご飯も炊き上がるでしょ?」
「あっ、お味噌汁がまだ。もうちょっと」
「戻って来るまでにできるでしょ。私が電話しようか?」
「うん、そうして。その間に作っちゃう」
美希が手を洗って携帯を取り出した。
「ナオ、もうそろそろご飯の支度が出来るから・・・・・・うん・・・・・・アイスクリームかケーキでも買って来て・・・・・・うん・・・・・・待ってるから」
美希が電話を切ると美千代が笑いながら聞いた。
「美希さん、今晩泊まって行くの」
「その方がいいんじゃない」
美希は今晩一気に話をしようと思っていた。既に美千代の心は開かれている。今、間を置く必要は感じられなかった。
「お兄ちゃんと、エッチするの?」
「えっ、そのために泊まるんじゃないわ。するのは私のマンションよ」
「でも、する?」
「やけにこだわるわねえ。そりゃあ、嫌じゃないけど」
「してもいいよ」
「ねえ、何が言いたいの。まさか覗くなんて言わないわよね」
「見てみたい」
「ちょっと、悪趣味よ」
「自分でもそう思うけど」
そこに直也の声が聞こえた。
「ただ今」
「その話は後でね」
美千代にウィンクした美希が直也を迎えに出た。
「お帰りなさい。ご飯にしよう」
直也がどうだと言うように目配せした。美希が大丈夫よと瞬きで答えた。
食事は和気あいあいとしたものになった。特に美千代が楽しそうで、美希の持って来た料理に美味しいを連発した。
食べ終わったところで美希が直也にウィンクした。
「後片付けはナオに任せていい?」
「いいよ。普段も時間があれば僕がやってるし」
「じゃあ、私たちはその間にお風呂入るから」
直也が納得したような顔をした。自然な形で自分の傷痕を見せる積もりらしい。
「美千代さん、お風呂の用意して」
「はい」
美千代も何か感じたらしく、素直に風呂場に行った。
「今晩泊まるから」
美希が小声で直也に言った。
「話、できそう?」
「うん。美千代さん、私のこと信用してくれたみたい」
「良かった。よろしくお願いします」
「やあねえ、改まった言い方して」
美希がニヤッと笑った。
「話が終わったら、ナオの部屋に行くかも」
「えっ、まずいよ」
「話の具合によるけど、行っても驚かないで」
「だって」
「私に任せるって言ったでしょ」
「うん」
直也はそれでも半信半疑な顔付きだった。
「準備できたよ」
美千代が呼びに来た。
「今行くわ」
美希が着替えの入った紙袋を持って脱衣所に入った。それを見た美千代がクスッと笑った。
「何?」
「美希さん、最初から泊まる積もりで来たんだ」
「そうよ。駄目だったら帰ったかも知れないけど」
「駄目って、何が?」
「美千代さんが私のこと、拒否したらってこと」
「ああ、そのことね。確かにチョッピリ妬けたことは確かだけど」
美希が笑いながら服を脱いだ。最後に下着も下ろすと美千代が驚いたように傷口を覗き込んだ。
「それ、どうしたの?」
「手術したの」
「手術って?」
「筋腫で子宮を取っちゃったの」
「えっ、子宮を」
「うん。だから、もう子供は産めないの」
美千代はショックを受けたらしく、自分が脱ぐのも忘れていた。
「さ、入ろう」
美希に言われてハッとした美千代が慌てて服を脱いだ。
「きれいよ」
裸になった美千代を見て美希がニコッと笑った。
「美希さんの方が素敵」
「ううん、あなたには若さがあるし、本当はそれくらいふっくらしてた方がいいのよ」
「嘘。この辺のお肉を取りたい」
美千代が腰の周りを摘んで見せた。
「ううん、もうちょっとしたら、美千代さんにも分かるわ」
確かに美千代はやや太めだが、贅肉は無い。柔らかい、いかにも女らしい滑らかな肌がいいバランスを保っている。
「さっ、洗おう」
直也を初めて洗った時と同じ優しさで美希が美千代の身体を擦り始めた。当たり前のように脚の間も擦られた美千代が恥ずかしそうに俯いた。
代わって美千代が美希の身体を擦り始めた。美千代が手を伸ばして美希の傷口をそっと撫でた。
「手術した時、平気だった」
「うーん、やっぱりショックだったわ。もう子供産めなくなっちゃうって言われたから。そうなる前に作っておけば良かったって思ったわ」
「その時、結婚してたんでしょ?旦那さんは何て言ったの?」
「口じゃ関係ない、大丈夫だって言ったわ。でも、お姑さんが何か言ったみたい。多分、早く別れろってね」
「わあ、そんなの非道い」
美千代が悲しそうな顔をした。
「でもね、それも女なの。私がお姑さんの立場だったら、同じこと言ったかも知れないわ」
「でも、何かやだなあ」
「世の中には色々な建前と本音があるの。子供が出来ないって、離婚の本音にもなるし、立派な建前でもあるのよ」
「大人って、好きとか嫌いだけじゃないのね」
「うん。美千代さんだって、その内向き合うことになるわ」
美千代がハッとしたような顔をした。
「美希さんとお兄ちゃんって、そんなことまで考えてるの?」
「勿論よ。私はナオにセフレでいいって言ったんだけど、ナオはそれじゃ絶対やだって」
「ふうん」
それきり美千代は黙ってしまった。
「さっ、上がろう」
美希が美千代を促した。後はベッドで話す積もりである。
美希はガウンを羽織っただけで美千代の部屋に行った。美千代がベッドカバーを開けるとそれも脱いで横になった。美千代はちょっと迷ったようだが、自分もパジャマを脱いでベッドに入った。
「女の人と一緒に寝るのって、初めてよ」
美千代が恥ずかしそうに言った。
「今度は美千代さんのこと、話してくれる?」
「うん」
美千代が美希の胸に顔を埋めた。
「彼って、どんな人?」
「バイトの先輩で、大学二年」
「ナオと同い年ね」
「うん」
「好きなの?」
「多分」
「ん?」
「昨日までは好きで好きでどうしようもなかったの。でも、美希さんとお兄ちゃん見てたらグラグラして来ちゃった」
「どういう風に?」
「何か彼って、ただエッチがしたいだけみたい。それはそれで仕方ないと思ってたけど」
「えっ、何で仕方ないって諦めてるの?」
「だって、すごいモテる人で、元カノなんか美人ばっかし。本来なら私が付き合えるような人じゃないんだ」
「そんなこと言うもんじゃないわ」
美希が美千代の頭を撫でた。
「男も女も、ルックスだけ比べて判断しちゃ駄目。そりゃあ、美千代さんがイケメンにコロッと参っちゃうのも分かるけど」
「だって、他の男の子には何にも感じないもん」
「別に、それはそれでいいんじゃない。で、何が問題なの?」
「バイトが終わって、彼のアパートに誘われて、キスとかハグとか色々されたの。手マンもされたんで、ああ、抱かれるなって思っちゃった」
「何、テマンって?」
美希が不思議そうに聞いた。
「ここ、触られること」
美千代が腿の付け根に指を当てた。
「ああ、手とマンね」
美希がおかしそうに笑った。最近の若い子達は色々新しい言葉を作るのが得意である。
「それで、された時、どう思った?」
「分からない。嬉しいような、恥ずかしいような」
「気持ち良かった?」
「うん」
「それで、しちゃったんだ」
「その日じゃなく、三日くらいしてから」
「痛かった?」
「ちょっと。でも、痛いって言ったら途中でやめてくれたの。何回も試して、入るまでに二時間くらい掛かっちゃった」
「ふうん、結構優しい子みたいね。ちゃんと避妊はしたの?」
「うん。コンドーム付けてくれた」
美希が安心したようにニコッと笑った。
「そんなに悪い人じゃないわよ、その彼氏」
「でも・・・・・・」
「でも、何?」
「私と彼がしたこと、誰にも言っちゃ駄目だって」
「他に誰か、女がいるの?」
「ううん、今はいないみたい」
美希が暫く考え込んだ。美千代の話からすれば、ただ抱きたいだけの男ではなさそうである。避妊もきちんとしたらしい。もっとも、避妊の意味は単に相手や後先を考えた結果とは限らない。もし相手の女に縛られたくない場合も男は避妊に気を遣うものである。
とは言っても、コンドームが嫌いという単純な理由で女の子に迫る男は結構いる。少なくとも、そんなどうしようもない男ではなさそうだった。
「そっか、まだ堂々と付き合ってること、人には見せたくないんだ」
「うん」
「それで、美千代さんはどうしたいの」
「告りたい。でも、告ったら逃げてくんじゃないか、凄く心配なの」
「こくりたいって?」
「告白すること」
「ああ、それを告るって言うんだ」
美希がまたケラケラ笑った。
「好きだって告白することの意味、自分ではどう思ってるの?」
「勿論、彼女になりたい」
「それって、彼を自分だけのものにしたいってことでしょ?」
「うん、バージン上げたんだから」
美希が初めて眉を寄せた。
「その、上げたからって言うのは賛成できないわね」
「えっ、どうして?」
「身体を恋愛の道具にしちゃ駄目ってこと。好きだから抱かれる、って言うかエッチする。それはそれで間違ってないわ。でも、身体を上げたんだから自分のものになってって言うのは違うと思う。だから、彼の気持ちをつなぐためだけにエッチするのは最低よ」
「分からない。でも、エッチしないって言ったらきっと離れて行くわ」
「何でそう決め付けるの?」
「だって、デートできる訳でもないし、会うのは彼のアパートだけ。行けば必ずエッチ誘われるし」
「その辺は若いんだから、仕方ないかも」
「お兄ちゃんもそう?」
「したいのはナオも同じじゃない。でも、私たちの場合、したがるのは私の方だから」
「えっ、美希さんが誘うの?」
「うん」
美希がニヤッと笑った。
「あなたはまだ分からないと思うけど、エッチは女の方が百倍も気持ちいいのよ」
「嘘、痛いの我慢してるだけ」
「そりゃあ、ついこの間バージン卒業したばっかりじゃ、無理無いわよ」
「ふうん」
美千代が何度も首を傾げた。
「男と女って、エッチしたら終わりじゃないの。そこから二人の積み重ねが始まるの。エッチだけで男をつなごうとしても無理。これは女も一緒だけどね」
「何が始まるの?」
「気持ちの問題。エッチするようになると、男も女も本性が出るの。そこから本当の関係が始まるのよ」
「美希さんとお兄ちゃんも、そうなの?」
「うん。こんなバツイチのオバサンが若いナオを縛っちゃ可哀想だと思ったんだけど、初めて抱き合った時にナオが真っ直ぐに飛び込んで来ちゃったの。本当に一瞬だったわ」
「何か羨ましいかも」
「美千代さんもそうなれるわ。そのためには、彼氏をエッチで縛ろうとしちゃ駄目。好きなら彼にはいつも心と身体を開きなさい。でも、それで縛ろうとしちゃ駄目なのよ」
「恋人同士って、縛っちゃいけないの?」
「それが当然ってみんな思ってるけど、相手の気持ちが本当に欲しかったら縛っちゃ駄目。縛れば縛るほど逃げて行くものよ」
「美希さんもお兄ちゃんを縛ろうとしないの?」
「全然。そんな必要もないし、もしナオに好きな人が出来たら、その時は自由にさせて上げるわ」
「何でそんなに余裕があるの?」
「自分に自信があるから」
「美希さんみたいな美人なら当然でしょ」
「違う違う。外見なんて大事じゃないって言ったでしょ。私が自信持ってるのは自分の気持ち。私以上にナオのこと愛せる女はいないってこと」
「私だって、彼のこと、すっごく愛してる」
「じゃあ、彼が離れても平気?」
「やだ。好きなんだから離れたくない」
「私はナオが離れても気持ちは変わらないわ。こんなに好きなナオが他の人と一緒になりたいんなら、そうして欲しい。私は絶対に縛らないわ」
「うーん、そんなこと、考えてみたこと無い」
美千代が美希の顔をジッと見詰めた。
「ねえ、美希さんとお兄ちゃんがエッチしてるとこ、見てもいい?」
「さっきもそんなこと言ってたけど、何で?」
「美希さんの話、頭じゃ分かるんだけど、全然ピンと来ないから」
「それは分かるけど」
「ねっ、お願い。お兄ちゃんには内緒で」
「そうねえ、それも悪くないとは思うけど・・・・・・」
美希が暫く黙り込んだ。確かに口では何とでも言える。自分は本当にそこまでナオのことが好きなのか、美希が自問自答を繰り返した。結果は胸を張ってナオが好きだと言えるところに落ち着いた。
「いいわ。でも、ナオにもそのこと言うわよ」
「えっ、やだ。恥ずい」
「駄目。ナオにもその積もりで愛して貰うから」
美千代の肩から手を外した美希がベッドから起き上がった。
「今からナオのところに行って話すから。美千代さんは十分経ったら来て」
美千代が神妙な顔で頷いた。
「えっ、僕たちのしてるとこ、見せるって」
直也が素っ頓狂な声を上げた。
「うん、どうしても見たいんだって」
「そんなこと言ったって」
「私も驚いたけど、それもありかなって思い直したの」
「何で?」
「セックスの仕方って、誰も教えないでしょ。そりゃあ、色々テクニックばっかの男も女もいるわ。でも、本当に愛し合ってる男と女がどうなのか、見せてもいいような気がするの。それで美千代さんが何か感じてくれたら一番じゃない?」
「うーん、そう言われても、ねえ」
「私は自信あるわよ。ナオのこと好きだって気持ち、誰にも負けない積もり」
「僕だって、ミキが好きな気持ちは最初の晩から全然変わってないよ」
「でしょ。私たち、付き合うようになってもう二年よ。ただのセックスだけなら、とっくに飽きてるわ」
「うん、それは僕も感じてる」
「さっ、あなたも脱いで。もうすぐ美千代さんが来るわよ」
「うん」
直也が渋々パンツを下ろした。ちょうどその時、ドアがゆっくり開いた。
「手加減しちゃ駄目よ」
美希が笑いながら直也の足元に腹這いになった。緊張のせいかうなだれたままの直也を口に含む。美千代の顔を直視できない直也が天井を見上げた。美千代は目を丸くして美希の口元を見詰めた。
美希と直也は美千代の存在を無視したようにいつもの交わりを続けた。いつの間にか美千代が床に正座していた。いつもより激しくお互いをぶつけ合った美希と直也がようやく大人しくなった。
「ありがとう」
美千代がそう言って立ち上がった。
「まだ終わってないわよ」
美希が手を上げて美千代を引き留めた。
「えっ、まだするの?」
美千代が目を丸くして美希を見返した。
「うん、いつもは三回するの。今のが一回目」
「凄い」
「ハッキリ言うわね。愛し合ってるからこうするの。嫌なことを我慢してる訳じゃないのよ。とっても気持ちいいから、二回でも三回でもするの」
「うん、そうみたい」
「まだ見る?」
「いてもいいの?」
「美千代さん次第」
暫く考えた美千代がコクッと頷いた。
「一緒にいたい」
「いいわよ」
寝返りを打った美希が上になり、ゆっくりと腰を振り始めた。美千代の目は二人がつながっている部分には注がれていなかった。その目は瞬きもせず、美希の顔に注がれている。それに気付いた美希がニコッと微笑んだ。
満ち足りた美希と直也が抱き合ったまま眠っていた。美希の後から美千代がしがみ付いている。時折美千代の手が美希の身体を撫でた。美希の身体がそれに反応して震えた。
次の日、直也は早めに起きて大学に出て行った。美希は美千代と一緒に直也のいなくなったベッドでゴロゴロしている。
「ごめんね、兄さん盗っちゃって」
美希が美千代の頭をそっと撫でた。
「ううん、お兄ちゃんの彼女が美希さんで良かった。他の人だったら邪魔してたかも」
「ふふ、かもね」
「昨日はビックリしちゃった。エッチって、あんなに凄いんだ」
「私たちはあれが普通よ」
「美希さん見てて、考えちゃった。女の方が気持ちいいって、分かった気分」
「うん、本当に気持ちいいのよ。美千代さんもすぐにそうなるわ」
美希が美千代の胸をそっと撫でた。その指が乳首に触れたので美千代が恥ずかしそうに俯いた。
「彼、お兄ちゃんみたいになってくれるかな」
「それは美千代さん次第。自分の気持ちをぶつけるだけじゃ駄目。そんな女は掃いて捨てるほどいるのよ。その中から彼が美千代さんを選ぶとしたら、どうすればいいのかを考えてごらんなさい。ただ抱かれた位じゃそれだけの女に過ぎないんだから」
「うん。美希さん見てたらそう思った。抱かれて上げたんだから彼女になる権利があるなんて、思っちゃ駄目なのね」
美希がうんうんと二度頷いた。
「そうよ。女が男に抱かれるのは当たり前。そこから全てが始まるの。どうやったら彼にとって掛け替えのない女になれるのか、それを考えてね」
「うん。そう言われてみると、彼が私にとって本当に掛け替えのない人かどうかも、ちょっと迷い始めちゃった」
「そうなのよ。その辺は男も同じ。もし、彼が美千代さんに対して何も感じてくれなかったら、ずっと付き合って行くのは無理ね。そのためにも美千代さん自身が変わらなければ」
「難しいなあ。ルックスが彼みたいで、性格がお兄ちゃんみたいだったら言うこと無いのに」
「贅沢言ってるわ。イケメンで性格が素敵な人って、滅多にいないわよ。それに、ナオだって、それなりにいい男じゃない?」
「そっかなあ」
「美千代さんはずっとナオと一緒だから、そう思わないだけよ。もっとも、ナオが素敵だなんて思われたら、私と恋敵になっちゃうけど」
「あっ、そうだよね」
美千代がクスッと笑った。
「何?」
「何でもない」
「やあねえ、言い掛けたこと、途中でやめないで」
美千代が悪戯っぽい目で美希を見た。
「美希さんみたいな美人だと、やっぱり性格悪いのかなって」
「馬鹿」
美希が吹き出した。
「でも、半分は当たってるかも。私もこんなになる前は結構嫌らしい女だったの。子供産めなくなって、ようやくそれに気が付いたのね」
「嫌らしいって?」
「自惚れてたの。男がチヤホヤするのは当たり前だって思ってた。自分から本当に男の人が好きになったことなんて無かったわ。ナオに会うまでは」
「本当にお兄ちゃんが好きなのね」
「うん。自信持ってそう言えるわ」
「ふうん。お兄ちゃんって、そんなにいいんだ」
「そうよ。あっ、でも駄目よ。ナオは私のものだからね」
「ふふ、言うことが違ってる。独占しちゃいけないって言ったのに」
「あっ、それもそうね」
美希が苦笑した。
「私も彼を仕込んでみようかな。精一杯愛情注いで、それでも彼がお兄ちゃんみたくならなかったら、その時は諦めるわ」
「うん、その調子よ。応援するわ」
美千代が両手を広げて天井を見上げた。
「険が取れたらいい女になったわよ」
美希が笑いながら言った。
「本当に?」
「うん。それと、もう一つ極意を伝授して上げる」
「何、極意って?」
「ちょっと狡いんだけど、あなた一筋ってばっかりじゃ駄目。男って、放っておいても自分から離れないって思うと何も努力しなくなるの。結婚した男がみんなそうなっちゃうわ。だから、他にいい相手が見付かったら、いつでもそっちに行っちゃうよって見せるのも手なの」
「そんなことして、振られちゃったらどうするの?」
「それ位で振るようだったら、元々大した気持ちは無かったってこと。少しでも好きだったら、何とか引き留めようとするはず。私とナオみたいになる前は、その位の駆け引きしてもいいのよ」
「出来るかなあ」
「頑張りなさい。いい女になれるかどうか、そこが勝負の分かれ目よ」
美千代がニコッと笑った。
「私ってラッキーかも。こんなこと、誰も教えてくれないもん」
「でしょうね。私って、けっこう強かな女だから」
「言えてる」
「こら」
美希が拳を振り上げて見せた。
美千代が急に真顔になった。
「ねえ、私にちゃんとした彼氏が出来るまで、エッチする時は美希さんのマンションにしてね」
「はいはい」
美希が笑いながら起き上がった。
「ちょっと刺激が強すぎた?」
「うん」
美千代が恥ずかしそうに頷いた。
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